娘も大きくなったので、以前のように辛い物にあまり気を使わなくなったけど、それでもカレーはバーモントカレーがいいと言い、麻婆と言えば豆腐ではなく春雨っていう。
まあ、いいんだけどね。
いいんだけども、麻婆春雨って副菜を何にしようか考えてしまう。
さしあたってアタマに浮かぶのは焼売か餃子っていうところ。
で、焼売は筍が出てきたら筍焼売をしようと思ってるので、やっぱり餃子かな。
でも、麻婆春雨はそんなに手間もかからずできるんだけど、餃子はねぇ〜
餃子はねぇ、餡を仕込むのも焼くのもいいんだけども、包むのがなぁ。
もともとわが家では、餡をぼくがつくって家人が包み、それをまたぼくが焼くっていう流れがあったんでけど、そんな流れが絶えて久しい。今ではぼくの一貫生産となってるわけなんだけど、今もって包むのがなぁ・・・
と、つぶやきながらもどうにかこうにか。
やっぱりこれに時間を取られてしまうんで、煮だしておいたスープも濃厚に。
スープはシンプルにタマゴと豆腐のみ。
まあ、青梗菜やらなにやらは麻婆春雨に持ってかれるんで。
で、頑張って餃子を包んだから、やれやれということでビール。
もっとも、包まなくても餃子ならビールだけどね。
というわけで、麻婆といったら麻婆春雨。
麻婆豆腐はともかくとして、娘が苦手な魚香茄子はしばらくつくってないなぁ。
このあいだ、いつもの精肉店を覗いたとき、半額になってた豚ロースの塊に、思わず目がロックしてしまった。
で、次の瞬間、ぼくの中の肉食人種が、「おっちゃん、これ頂戴」って口走ってた。
重さ900g弱。家に帰って厚みを計ったら10?強。
しかたがない。家族三人で食べるか、ひとり3.5?の厚切りトンカツを。
めざすは切り口がまだピンク色のとんかつ。
なので、3.5?に切り分けて塩胡椒をしてジップロックに並べ、BONIQで62℃、3時間弱。あとは衣をつけて180℃の油でわずか1分ほど。衣がきつね色に色づけばそれでOK。
カットしてみると、思惑どおりのピンク色。いや、もう0.5℃温度設定を下げてもいいかもね。
で、厚かろうが薄かろうがトンカツにはキャベツ。キャベツのせん切り。
それにこの日はポテサラも。
で、じゃがいもをサラダに使ったから、スープはキャベツを。
ていうか、キャベツもせん切りにしてるんだけどね。
それから、豚肉をBONIQで低温調理してるあいだに揚げておいた新たまとれんこん。
ちなみに、新たまやれんこんにはウスターソースがおいしいんだけど、トンカツのほうはというと、まずは塩。それからトンカツソースとマスタード。いま思えば、おろしぽん酢なんかもよかったかもね。
で、塩だろうがソースだろうがトンカツにはビール。この日はエビスを。
というわけで、ひとり3.5?の厚切りトンカツ。
さすがにぼくの中の肉食人種も完食には届かず。
で、ぼくがそうなんだから家人はもっと。でもって翌日はそれでカツ丼を。
残念ながらかつ丼の画像が事故で消えてしまったんだけど、このあいだからわが家でブームの金鵄の赤彩卵を使ってできた厚切りカツ丼が絶品。これで店が開けるんじゃないかなと。画像さえあれば続編で書いたんだけどなぁ。
この時期、家族の休みが変則的で、この日はぼくが休み、娘は学校へお弁当を持参した。
で、お弁当にとっておいた鰺フライが余ってたので、これをどうしようかと。
食パンに挟むのはちょっと。バゲットとかパンドミがいいかもねと思いながら、パン工房SAKAGUCHIに行ってみて、目にとまったのがベーグル。これがいいかもって。
ベーグル。SAKAGUCHIのベーグル。思った以上に軽く、乾いた印象。
でも、買って帰って二つに切ってみると、中にはもっちりとはいかないまでもふうわりとした感触が保たれてあったので、ちょっと安堵した。
で、鰺フライを温め、ベーグルをさぁーッとリベイクして、タルタルソースをたっぷりと。
鰺フライだけなら断然ウスターソースなんだけど、パンに挟むとなれば、やっぱりタルタルソース。しかし、偶然チキン南蛮に使ったタルタルソースが残っててよかったぁ。
それから、レモンをスライスして乗せ、庭から摘んできたイタリアンパセリを飾ってできあがり。
で、このときばかりはコーヒーでもワインでもなくて、ビール・・・にしたいところだけども、ノンアルコールビール。
SAKAGUCHIの帰りがけに買ってきたノンアルのビールを。
画像を撮ってから、鰺フライを裏返し、上に乗ってるタルタルソースをせん切りのキャベツに馴染ませる。で、少し強いめに握力をかけベーグルサンドが口に入るくらいにまで圧し潰す。それでガブリ。今ごろ娘もお弁当食べてるかなぁって思いながら。
どうも鰤カマにはそそられる。
違う料理を考えながらスーパーを彷徨ってるとき、出物の鰤カマなんかを見つけると、思わずそっちの方向へメニュウを強引に修正してしまう。
この日もよさげなのを見つけたんで、つい。
そうと決まれば、それまで頭のなかで考えてたメニュウは白紙に戻し(エビチリにしようか鶏の葱ソースにしようか考えてた)、和風で組み立てなおして。
で、ひさしぶりに小松菜と厚揚げの煮びたしを。
画像だけ見れば別にいつもとそんなに変わらない一枚なんだけど、じつのところは買い物かごの中に入れてた白葱を返し、替わりに小松菜を入れて・・・なんていろいろドタバタしてたわけで。
で、どさくさで買った浅漬け。
これひとつあれば、ずいぶんと和風なイメージになるかなって。
それから、小松菜の煮びたしと被るけどもほうれんそうのおひたし。
そういえば、煮びたしもおひたしも、うつわは片口。ちなみに、先の浅漬けのうつわも。
と、いろいろ被るけど、そろそろ茹でないといけないくらいのほうれんそうだったので、翌日に持ち越すこともできずに。
で、ごはんは、おとといに続いて黒米入りの。
黒米はもう一回分余ってる。
水に浸してるので早いめに使い切ってしまわないと。
いっぽう、お酒はながくちびちびと飲んでた、農口尚彦研究所のひやおろし。
これももう飲み切ってしまわないといけないからな。
とうわけで、鰤カマにそそられて。
舞台裏ではずいぶんドタバタしたんだけども。
その日はあっさりと和食で済まそうと家人に提案したら、「あああ、肉が食べたい」って返ってきた。
満月が近いせいからか。
なので、安売りの肉を探したけれど見当たらず、結局はいつものS精肉店へ。
で、やりくりして、買ってきたのはサイコロステーキと脂の乗ってそうなカルピ。
で、まずはサイコロステーキから。
肉を焼くときも、お好み焼きに準じてぼくは焼き役に徹してる。
で、食卓にはデンッと大皿を置いて、そこへ焼いた肉をサーブする。
この大皿、そのまま火にかけられるっていうので、レンジで熱く温めてあるわけで。
で、もちろん、肉料理のときはサラダを用意するのは常道。
まあ、あんまりいつもと変わらないけどね。
それに、このところ食卓に上がらないことがない、じゃがいも。
こちらは大きな大きなやつを12等分してバターで焼いた。
それを別皿に盛って。
それから、肉ばっかりじゃあ財布がもたないんで、こんなのも混ぜたりして。
梅の花の厚揚げ。
これは焼肉のたれで食べても、醤油とおかかで食べても。
で、この日は手羽元でとったスープストックが余ってたので、このあいだご近所でいただいた金鵄(きんし)の赤彩卵(せきさいらん)を使ってスープを。
金鵄の赤彩卵を使ったせいか、色がずいぶんと黄色い。
満月の先手を打った格好。
と、いろいろ欲を紛らせて、最後にカルピをさっと焼いて。
肉が食べたいって言ったって、家人が食べる量はたかだか知れてる。
そのうえ、こんなふうにいろいろ紛らすと、もうこれで満足ってなるわけ。
と、自分のピッチングに酔いしれて、ワインを一杯。
というわけで、満月前の肉を。
これで狼にはならないと思うんだが。
土曜日なのでパスタ・・・がムリなら、せめてうどんでもと思ったんだけど・・・
おとといは黒米入りのごはんを炊いた。
黒米入りのごはんとか雑穀米っていうと、そういうおにぎりを出してるうどん屋とかがあって、ぼくの中ではそんな方向へとイメージが転がっていく。
でもって、そんなイメージを転がしていくと、てんぷらうどんが思い浮かんで、ああ天ぷらが食べたい・・・となる。
なので、おとといはてんぷらを。元のうどんはどっか行ってしまったけども。
で、くだんの黒米。朝紫っていう品種で、いわゆる古代米とも言われているやつ。
黒く見えるのはアントシアニン系の色素で、白米と一緒に炊くと赤飯みたいなピンク色に炊きあがって、もちもちっとした食感が楽しめる。
その黒米入りのごはん、何も味付けはしてないんだけど、塩を振って食べるっていうのもアリなんだそうで、今回は代わりにてんぷらに塩をつけて。
いちばん前はマイタケで、緑色のはアスパラガス。
それから、右上はさつまいもと新たまねぎ、左上はれんこんと甘辛く炊いたごぼう。
さつまいもとごぼうはそのまま。新たまねぎとれんこんは天つゆに浸して。
もちろん野菜ばっかり食べてるわけではなくて、動物性のも。
手前の右側が海老、左が鯛、その後ろが下味をつけたささみ。
海老と鯛は塩でも天つゆでも。ささみは下味がついてるからそのまんま。
で、てんぷらには清酒でもよかったんだけど、この日はてんぷらばっかりだから、油分をサァ―ッと流してくれるフルーティな酸味が爽やかなドイツワインを。
ジョセフ・ドラーテンっていうところのゲヴュルツトラミネール。
実のところ甘めのドイツワインっていうのはあんまり飲みなれなくて、いつ飲もうか、何に合わせようか、ずっと悩んでた。
でも、悩んだ甲斐あって、てんぷらとの相性はなかなかいい。
というわけで、この日は黒米入りのごはんからてんぷらへ。
うどんはやっぱりどっか行ったままだ。
少し前のこと、東京にいる上の娘からつれあいにプレゼントが届いた。
アトリエうかいのフールセックっていう缶入りのクッキー。
少し遅れた誕生日プレゼント。
でも、さすが娘だけあって、つれあいのツボを衝いてる。
つれあいはクッキー好きなんだけど、それに加えて缶好き。だから缶入りクッキーに目がない。
まあ、クッキー好きっていうのは判るんだけど、缶好きっていうのはちょっと理解が至らない。
ともかく、それをぼくにもお裾分けしてくれるっていうから、とにかくコーヒーを淹れた。こういうときのコーヒーは、このところはイルガチェフェのハルスケ。
こういう場面でばかり飲んでるので、そろそろ残りわずか。大事に飲まないと。
で、フールセックにいろいろ収められてるクッキー。
ぼく的には、クルミのクッキーとか三日月型クッキーとかピスタチオジャンドゥージャのチョコサンド・・・とか、いろいろおいしくいただいたんだけど(ひととおり食べた)、つれあいと評価が一致したのがこれ、メレンゲ。
フルーツ・ナッツ・スパイス味などの軽い口当たりのメレンゲで、メレンゲがこんなにおいしいものだと、あらためて実感した。
というわけで、つれあい好みの缶入りクッキー。
なんで缶に惹かれるのか理解ができないところだけど、そんなの訊くと「あなたがなんでこんなにブログを書いてるか理解できないわ」って返されるに違いない。
そっとしておこう。
以前にも、チキン南蛮がわが家でブームだと書いた。
以前、家族で福岡へ行ってから。
以来、もう月イチくらいつくってるんじゃないかな。
なのでこの日も。
それでちょっと考えた。
わが家でブームになるには、もちろん頻繁にリクエストがあるっていうのがマスト。
でも、それ以上に重要なのは、ぼくがつくる気になるか否かっていうことだ、じつは。
で、ぼくがつくる気になるか否かっていうのは、おいしいおいしいって家人がおだてるのと、もうひとつ、ツボにハマった料理法が見つかるか、だ。
チキン南蛮っていうのはつまり、鶏肉に下味をつけてタマゴをくぐらせ、それを揚げて甘酢に浸け込み、さらにタルタルソースを添えるっていう料理。まあ、これはあくまでもぼくの理解。
それさえ守れば、あとはサラダとかにはこだわりなく。
ちなみに、この日のサラダは春っぽく、いつものトマト、レタス、キュウリにスナップエンドウとレッドオニオンを加えてみた。
で、ツボにハマった料理法のことを続けると、鶏肉に下味をつけてタマゴをくぐらせるっていうのはあくまでもスタンダードな方法なんだけど、揚げて浸け込む甘酢は醤油と調味酢を1;2にすればカンタンでうまくいくっていうのが第一の発見なわけ。
それから、この日はその傍らで、いつものじゃがいもスープを。
で、さらにくどくどと料理法のことを続けて、タルタルソースのことも。
こちらも基本はスタンダードなんだけど、茹でたまごに刻んだピクルスと玉ねぎをマヨネーズで和えるんだけど、これにもちょっと調理巣を加えて甘みと酸味を調整すれば、甘酢と通底する味わいが醸されてイイ。これが第二の発見。でもって、イタリアンパセリのみじん切りを加えてできあがり。
これでようやく、ワインが飲める。
ワインはコンデ・デ・ファルナレスっていうののグランレゼルバ。
ぶどうはテンプラニーリョでヴィンテージは2014。以前ちゃんこのときに開けて、がっつりの肉に合いそうな感じがしたんだけど、チキン南蛮でもいいかなって。
で、この日はデザートも。くだんのいつき農園で買ったよつぼし。どのいちごもめちゃくちゃ甘いけど、これがとくべつ甘くて味が濃い。
というわけで、わが家でブームのチキン南蛮。
つれあいは、「下味をつけて、揚げて、甘酢に浸して、しかもタルタルソースも拵えるって、そんな面倒なこと、よくするわね」って呆れるんだけど、ツボにハマった料理法が見つかったわけだし、何よりも、おまえらがおだてるからじゃないかって内心思ったりして。
ご近所からタマゴを貰った。
金鵄(きんし)の赤彩卵(せきさいらん)っていうタマゴ。
なんでも、「たまごかけごはんにするとおいしいわよ」って。
たまごかけごはん。
TKG!
おおお・・・
でも、たまごかけごはんだけで晩ごはんっていうわけにもいかないし。
というわけで、ホッケを二枚買ってきた。
これを焼いて、おろし醤油で食べればいいかと。
う〜ん、やっぱり野菜もいるなぁ。
まあ、まんま野菜ってわけじゃないけど、筑前煮を。
あると思ってた冷凍の鶏肉がなかったので、手羽元でいいかと。
で、それに味噌汁もつけようってなことで、豆腐と新たまねぎの味噌汁。
とまあ、ほとんどいつもの食卓と変わらぬように。
それじゃあと、冷蔵庫から住吉をとりだして。
で、ホッケや筑前煮を酒のアテにつついて、
金鵄の赤彩卵のたまごかけごはんは最後の〆に。
白身を少し除いて混ぜる。
少し黄身の比率を高めるわけで、味わいも濃縮されるし。
鮮やかなオレンジ色。
それが飼料によるものだとしても、それでもこのインパクトは大きいなぁ。
少し本節醤油を垂らして、一気にごはんに。
ざっくり混ぜて掻き込んだ。
ふふふ、うまい。
最後の〆だから、そんなにおなかも空いていないのに、思わず少しごはんをおかわりして、まだ残ってたたまごを廻しかけて熱々ごはんで味をたしかめる。
やっぱりうまい。
でも、この食べ方だと食べ過ぎてしまうなぁ。
TKGには何がいいんだろね。
前日にヘレカツを上げた。
いつもは、余ったカツはお弁当に、それでも余れば娘の好きなカツ丼をつくってあげるんだけど、この日はちょっとそのルーティンから離れ、パンに挟んで。
カツサンドっていうべきか、それともカツバーガー?
いずれにしても、最近つれあいが食べてる小さなフランスパンに挟んで。
カツは厚いめに揚げてる。
ヘレ肉を塊で買ってきて、いつもだいたい2センチほどの厚みに切り分ける。
それを少し延ばして揚げるんだけど、この日のは延ばし方を控えめにしたので、衣の厚みを加えれば2センチ以上になってたかな。
で、それにキャベツを敷いてあるもんだから、いかにも座りが悪い。
だから、食べるときはぎゅっと圧して。そのままだと口を大きく開けても入りきらないからね。
それに、コーヒーを。
コーヒーはイルガチェフェのハルスケ。
本来はソロで飲みたいところなんだけど、最近はスイーツに合わせたりしてる。で、かつバーガーに合わせるのはちょっと無茶かもしれないけど。
というわけで、カツサンド、いやカツバーガー?
とにかくルーティンから離れ、パンに挟んでいただいたけど。
でも、大丈夫、娘のカツ丼の分は残しておいたから。
この日は、れんこんとアスパラ、さつまいもを揚げた。
春野菜のフライ。
といったら、やっぱり筍や新たまねぎが欲しいところなんだけど。
そのかわり、また春キャベツをたっぷりと。
なんだか最近はキャベツばっかり食べてるなぁ。
このあいだ、春キャベツの餃子をつくったときにも書いたけど、長新太さんの絵本。「キャベツくん」なら、「ぼくをたべると、キャベツになるよ!」って連呼されそうだ。
で、春野菜のフライと春キャベツを従えた主菜はヘレカツ。
また少し多く揚げ過ぎたので、残りは翌日のお弁当とかカツサンドとか。
まあ、それはまた別の機会に。
それから、こちらは新じゃが。
新じゃがは、じつはこの前つくった関東煮のだしを冷凍保存しておいたので。
それでちょっと煮転がした。
で、きょうもやれやれということで、エビス。
というわけで、春野菜を従えてヘレカツを。
従えてと書いたけど、まあ、春野菜のほうが優勢だな。
むしろ、春野菜に囲まれてって感じだ。それはそれでヘレカツもシアワセなんだろうね。
いつものcafé unji。今回はそんなに間が開かずに。
でも、ほんとはもっと、毎月でも行きたいところなんだけど。
で、ここ最近はそれぞれにサラダを食べてる。
以前はひとつのサラダをシェアしてたんだけど、最近はそれだとものたりないので。
ヴォリュームが物足りないのではなくて、もっともっと食べたくなる。実に多くの味が楽しめる、そんなサラダなので。
誤解されると困るけど、このサラダ、洗練をめざしてるわけではないと思う。
でも、どんどんととりどりになっていく。まるでカンディンスキーの絵のよう。今回は焼き野菜が追加されたみたいだね。
と、サラダをいただいたあとはメインの皿。
今回はまず、ミートソースのパスタから。
もちろん、ふつうのミートソースではなくて、このミートソース、スジ肉が入ってる。
じつはぼくもミートソースを仕込むのにスジ肉を使うんだけど、そうか、ここのみたいにスジ肉は細かくせずに、これくらいの大きさにすればよかったんだと妙に得心。まいったなぁ。
それから、お次がミネストローネ。
パスタはともかく、スープがメインの皿っていうのはどうかとも思ったんだけど、unjiではレアなメニュウだということで。
ここでも焼き野菜が使われてる。
スープもサラダ同様、いくつもの素材が合わさってる。もう数えることなどすっかり諦めてしまったけども、いくつもの素材が合わさってやさしい味わい。寝こんだときに食べたくなるような、そんな味わいなんだけど、さすがに寝込んだときはこのボリュームは食べられないだろうって。
でも、今回はすっかり平らげてしまって、食後のコーヒーと紅茶を。
もちろん、これを飲みながら、食後のデザートを待つわけで。
ここ最近はずっとモンブランを頼んでたんだけど、もうそろそろ違うのにも手をのばそうと、いろいろ迷った挙句、頼んだのがチーズケーキ。
でも、これがめちゃめちゃよかった。
なかなかこんなうまいチーズケーキには巡り会えないなぁって思うくらい。
おかげでつれあいのコーヒーバナナが霞むくらい。
というわけで、café unji。
きょうはミネストローネとか、チーズケーキとか、いつもと違うのをいろいろ試してみたけど、ハズさんなぁ。頼めなかったクロックムッシュがどんなのか心残りだけど。まあ、この分だと、またそのうち行くかな、違うメニュウを試しに。
このあいだの月曜は休みで、つれあいからお使いを頼まれてたので、昼前に起き出して近所のアンディオールへ出かけた。
つれあいに頼まれてたのは、贈答用のコンフィチュールと自家用の。でもって、折角だからコンフィチュールを味わうためのパンも、と。
それで、この時間、アンディオールから至近なブーランジェリーはと考えて、一休まで足を延ばした。で、ナッツトーストを選んでレジへ並んでると目の前で店の人がカットしはじめたのがこれ、オレンジタルト。
このオレンジタルト、知ってる人は知ってるここのマストバイ。すぐに売り切れるから滅多に手に入らない。
さいわい(?)、前の日とは気づいてないし、ぼくの番が回ってきて思わず「そのオレンジタルト、ふたつ、いや、みっつ」って。
で、そのオレンジタルトを大事に抱えて急いで家へ帰り、さっそくコーヒーをたてて。
というわけで、二つ並べたけども、実はぼくひとりで。
もちろんタルトはもういちどプラケースにしまい込んで、コーヒーは二杯いただいた。
思ったとおり、タルトはおいしい、滅多に手に入らないってことを差し引いても。絶妙な甘み、絶妙な酸味、そのバランスがとてもいい。
それにコーヒーも、レアなタルトに合わせてイルガチェフェのハルスケ。目下いちばんのお気に入りだからね。
というわけで、一休のオレンジタルトとBeans57のイルガチェフェのハルスケ。
でも、よくよく考えれば、元はといえば、お使いでアンディオールへ行っただけのこと。
まんまと沼にハマってしまったなぁ。
毎月中日には本のことを書いてる。
基本的には食に関する本を紹介してるんだけど、最近読んでる本でいいなぁって思うのが、食以外の領域のが多いんで、ことしはここまで食から離れてしまってた。
なので、今月こそはというわけで、稲田俊輔さんの「カレーのきほん、完全レシピ」を。
著者の稲田俊輔さんは、南インド料理店「エリックサウス」の総料理長で、幅広いジャンルの飲食店のメニュー監修やレシピ開発を中心に、業態開発や店舗プロデュースを手掛けられてる。
でも、そうした氏のプロフィールよりも、ぼくにとって氏はフード・パラノイアの先達っていう存在。
フード・パラノイアっていうのは、ぼくが勝手に名付けたんだけど、三年くらい前に読んだ氏の本、「おいしいものできている」に出てくる「常軌を逸して食べることが好きな人」のこと。氏もその中のひとりだと自身で語ってるし、ぼくもじっさい、その性質を若干帯びてるかもしれないなぁってことで、その本で語られた氏の視点とオーバーラップすることが少なからずあって、そうした意味で、氏のことをフード・パラノイアの先達と思ってる。
だから、この「カレーのきほん、完全レシピ」は、「エリックサウス」の総料理長が書いた本っていうのもあるけど、フード・パラノイアの先達が書いた本っていう、親しみといいうか信頼感をもって接してた。
と、前置きが長くなったけど、この本に書かれてるレシピの構成は、「日本人にとってのカレーらしいカレー」、「インドならではの特色あるカレー」、そして、「レストランならではのカレー」の三つに大別される。
それから、特筆すべきは、ゆでた玉ねぎを主体に、カレーに不可欠な香味野菜や最低限のスパイスをあらかじめ合わせた汎用的なベースソース「オニオングレイヴィ」。
で、レシピ本はつくってナンボなわけで、どれにしようかと迷ったけども、まずはオニオングレイヴィのスペックを最大限に引き出す、シンプルながらインドカレーの基本技術が過不足なく詰まった、完成度の高いレシピということで、いきなりのレストランスタイル、「シェフズチキンカレー」を。
なるたけレシピに忠実に。
不思議(?)なことに、わが家にはカルダモンのホールもクローブのホールもあったりして、材料も大半は難なく。
ただ、ひとつだけ、カスリメティっていうのが近所のスーパーやデパートを捜してもとうとう見当たらなかったのがちょっと悔しい。
それから、レストランのカレーの難点は、家カレーのようにじゃがいもやニンジンをごろんごろんと入れるわけにはいかないってこと。なので、この日はじゃがいもを別に。
庭で穫れた北あかりをバターでソテーして。
もちろん、それだけでも野菜不足は補えないわけで、別にサラダも。
というわけで、フード・パラノイアの先達、稲田俊輔さんの「カレーのきほん、完全レシピ」から「シェフズチキンカレー」。
ぼくがつくったインドカレーの中ではトップクラスの出来栄え。
ただ、心残りは手に入らなかったカスリメティ。
氏がコラムで、「私がこういったタイプのカレーをお店で出すなら、ブラックペッパーをここに足し、カスリメティの代わりに香菜で仕上げるでしょう。」なんて書いてあるけど、そもそもカスリメティの味が判らなければそうしたアレンジはできないわけで、まずはなんとしてもカスリメティを手に入れないと。
きょうはホワイトデーなんだけど、つれあいが言うには他所からいただくのが出揃ってから欲しいものをリクエストするわって。なるほど合理的。
なので、きょうはその話題ではなくて、いつもの路線で。きのうは三寒四温の「寒」の話を書いたので、きょうは「温」のほうを。
で、のっけから山盛りのキャベツ。
春キャベツを研ぎたての庖丁で細く細く。
細くすればするほど口当たりが柔らかくなる。ましてやそれが春キャベツだと。
で、キャベツのせん切りといえば、いくつか料理が思い浮かぶけど、この日は生姜焼き。
ただ、せん切りが春キャベツなら、生姜焼きは新たまねぎを。
なので、今回は一枚をそのまま焼くのではなくて、たまねぎと一緒に炒めるっていうようなイメージで。
まあ、そうなるとキャベツのせん切りを巻いて食べにくくなるように思うけど、じっさいにはそれほど苦労しなかったし。
で、キャベツのせん切りだけってわけにはいかないので、ポテトサラダも。
もちろん、こちらは新じゃがで。
あとはハムときゅうり、それにわが家特有のりんご。
で、生姜焼きには味噌汁を。
この日は豆腐とえのきと大根と。
でもって、この日もやれやれということで、プレミアムモルツを選択。
というわけで、この日は三寒四温の「温」。
春の恩恵を全面的に享受して、春キャベツと新たまねぎ、新じゃがと。
まあ、寒くても、暖かくてもそれなりに。
むしろ、そっちのほうがいろいろ愉しめたりしてね。
少し前のこと。
庭の梅が、めずらしく早くに咲いた。
毎年、開花を桜に抜かされるんじゃないかと心配になる寝ぼけ梅。
さすがに暖冬だったからなぁ。
・・・と思ったら、また冬に逆戻り。
どうなってんだ、ことしの冬は、ことしの春は。
なので、またシチュウ、クリームシチュウを。
最近のシチュウはずっと、自作のホワイトソースとハインツのを半々。
まあ、自作のにはあんまり自信がないからなぁ。
で、それに白味噌を隠し味に。
あと、ほんとは具に餅を入れたかったんだけど、正月からこっち、もうあらかた食べつくしてしまったので。
なので、くだんのバタールを。
焼き餅のおかきのような香ばしさと、カリッとリベイクしたバタールと通じるところがあるからね。
それからサラダ。
最近はカリフラワーがやたらに安くて、ちょくちょく入れたりもするんだけど、相変わらずわが家では人気がなくて。せっかく大きいのを買ってきたんだけど、結局はぼくがずっと引き受けてる。
で、翌日。
残ったシチュウをグラタンに仕立てる。これで完食。
というわけで、寒の戻りで今度はシチュウ。
これまでも、寒の戻りで関東煮を炊いたり、鍋をしたりしてたんだけど。
まあ、三寒四温といえばそれまでなんだけど、ことしの振幅はえげつないような気がするな。三寒四温っていうよりも、三凍四熱って感じかな。
あたらしいブーランジェリーでは、試しにバゲットと食パンを買う。
だから、このあいだシナモンロールを買ったル・クロワッサンでもと思ったんだけど、バゲットも食パンも買えず、代わりにバタールを。
とはいっても、バタールもなかなか買えないらしく、最後の一本だったけど。
バタール。
実はバターとは関係なくて、細めのバゲットと太いドゥ・リーヴルの中間の(バタール)っていう意味らしい。
で、バゲットは香ばしい皮の風味を、ドゥ・リーヴルはフワフワの中身が魅力なんだけど、バタールはその中間だから、やっぱり皮も中身もっていう位置づけ。だから、少しリベイクしてこんな食べ方を。
バタールを薄めにスライスして、タルティーヌに。
乗せるのはポテトサラダとミニトマト、それに生ハムとブロッコリー。
ポテトサラダはたまたま前日につくってて、その残りを乗せたっていうわけ。
あと、生ハムもブロッコリーも前日のサラダの残り物。ミニトマトはブルスケッタみたいに塩とオリーブオイルを。バジルの代わりにイタリアンパセリだけど。
と、ほとんど、いつものブルスケッタみたい。バタールだからっていう食べ方でもないけどね。
でも、味わいはずいぶんと異なる。やっぱりバゲットよりもきめ細かく、柔らかい生地だから。
で、飲み物もワインでもビールでもなくて、いつものようにコーヒーを。
というわけでバタール、ル・クロワッサンの。
バゲットとどちらがいいかっていうと、乗せるものにもよるだろうし、おなかのすき具合とか、ほかの料理とか。
まあ、その日のキブンでとしか。
以前から書いてるように、ことしから上の娘が東京へ行ったので、目下三人家族なんだけど、どうも三人分の料理の量に慣れてない。
おとといも、寒の戻りを理由にちゃんこをつくったんだけど、ずいぶんと余らせてしまった。
なので、きのうはその材料を使って。まずは白葱と豆腐で麻婆豆腐を。
さすがに豆腐は少し買い足したけど、あとは挽肉を買っただけ。
ちなみに、あらかじめ煮出しておいたスープストックもずいぶんと余ってたから。
だから、そのスープストックのうち、カップ一杯分を麻婆豆腐に使い、あとは残ってた白菜と鶏肉を使ってスープを。
スープには、ホワイトソースを仕込んでスープストックと、チキンブイヨンを少し。
まずは一口大にカットした鶏肉を皮目から焼き、少し焼き目がついて脂が出てきた頃合を見計らって薄切りにしたたまねぎを加え、さらに白菜をたっぷり加え、くだんのホワイトソースとスープストック、それにチキンブイヨンを加えて煮立たせ、塩胡椒で味を調えて少し煮込めばできあがり。
で、麻婆豆腐とクリームスープだけではちょっと寂しいので、餃子を焼いて。
少し前につくって冷凍しておいたやつ。
またつくって冷凍しておかないとね。
で、きのうもやっぱりやれやれということで、ビールを。
この日はエビスを。
それから、おとといのちゃんこの後もいただいたデザートのいちご。
きのうのは紅ほっぺ。おとといのとちおとめとはまた一味違う。果肉が柔らかくて、酸味が穏やか、かな。
というわけで、鍋の残りで麻婆豆腐とスープを。
まだまだしばらくは三人家族に慣れないか。
慣れたころには戻ってきたり、下の娘が出ていったり・・・
どうなるんだろ、いやはや。
いくら春とはいえ寒いときもある。
ましてやきのうの寒さといったら、暖冬をやり過ごして、もはやすっかり春だっていう気の緩みを衝かれたっていう感じ。
なので、このあいだの関東煮もそうだけど、駆け込みでまた鍋を。
見てのとおり、きのうはちゃんこ。
わが家のちゃんこはきほん鶏ベース。むかしむかしは魚介類も入ってたんだけど、どんどんと省略していって、最後に残ったのが鶏とつくね。でも、豚くらいは入れてよっていう家人の声を反映して、きのうは肩ロースも用意した。
で、鍋のほうはというと、まずは手羽元とスペアリブ、そこへ昆布とにんにく、生姜に葱の青いところを入れてじっくり煮出し、そこへ市販の地鶏鍋のスープをブレンド。でもって少し味を調えて。
それから、ちゃんこのときはだいたいは焼酎かビールなんだけど、この日はちょっとワインでも。
最近はスパニッシュワインがマイブーム。
この日はコンデ・デ・ファルナレスっていうののグランレゼルバ。
ぶどうはテンプラニーリョでヴィンテージは2014。ちゃんこよりももっとがっつりの肉に合いそうな感じかな。
で、そうこうしてるあいだに〆のラーメン。
ちゃんこだから、途中でうどんを入れるっていう選択肢もあったんだけど・・・
でも、鍋自体から少し遠ざかってたせいか、鍋ラーメンにはずいぶんご無沙汰してるんで。
でもって、この日はデザートにいちごを。めちゃめちゃ色鮮やかでおいしそうでしょ。
でも、その想像を上回るくらい、もう、むせるくらい甘い。
つれあいのママ友が経営してるイチゴ農園のとちおとめ。
きのう買ってきて、さっそく食べたから書いたけど、詳細はまたあらためて。
というわけで、駆け込みでまた鍋を。
アンコールも二度目くらいまでは喝采を浴びるけど、三度目となるとなぁ・・・
だから、またまたの駆け込み鍋はないよなぁ、きっと。
そらまめがまた出回りはじめた。
寒い時期にもあったんだけど、路地ものはやっぱりこれくらいの季節からかな。
で、そのそらまめを少量買い求め、サーモンといっしょにクリームパスタに仕立てた。
この時期、必ずするパスタ。今回はひとりでこっそりと。
買ってきた鞘の中には白い綿にくるまれた淡いみどりのまめが眠ってる。
さらに薄皮を剥くと、つるんとしたまめがあらわれる。
で、そのまめを、先に茹ではじめたフェットチーネの鍋へ途中から。
いっぽうのサーモン。
あらかじめ塩をふり、少し寝かせておいたやつの水分をふき取り、適当な大きさに切ってフライパンへ。
少し火がとおってきたら白ワインを振ってアルコールを飛ばし、生クリームを加えて一煮立ちさせる。
そこへ茹で上がったフェットチーネとそらまめ、追い生クリームを加えて塩胡椒で味を整える。でもって、うつわに盛って刻んだレモンピールを散らせばできあがり。
いっしょにつくったサラダとともに。
というわけで、そらまめとサーモンのパスタ。
青い釉のかかったパスタ皿にクリーム色のフェットチーネ。そこに淡いみどりとサーモンピンク、それにレモン色が少し。いいね、春色だね。
でもって、春野菜特有の微かな苦みを味わうと口元がほころぶなぁ。
爽やかなスプマンテなんかがあればサイコーだけど、それはさすがに。
随分と古い話になるが、誕生日に上の娘が呉れた羊羹の話。
その日は娘がフルーツ大福が食べたくなったそうで、一心堂で幾つかの大福をオトナ買いしてきた。羊羹はそのついでに買ったというが。
羊羹はけっこう日持ちする。
だから、しばらくは手つかずのまま置いていたのだけど、少し前からちょっとずつ。
で、折角羊羹を貰ったのだから、文豪谷崎の謂うように、肌の色が辛うじて見分けられる暗がりへ沈めてみようと。
谷崎が謂うには、羊羹を暗がりへ沈めれば、ひとしお瞑想的になる。「人はあの冷たく滑かなものを口中にふくむ時、あたかも室内の暗黒が一箇の甘い塊になって舌の先で融けるのを感じ、ほんとうはそう旨くない羊羹でも、味に異様な深みが添わるように思う。」
いや、あくまでもこれは谷崎の考え方。「ほんとうはそう旨くない羊羹」なんて思ってないから。
それよりも、大事なのはその前後。「・・・あの冷たく滑かなものを口中にふくむ時、あたかも室内の暗黒が一箇の甘い塊になって舌の先で融けるのを感じ、味に異様な深みが添わるように思う」のだと。
ただし、それはあくまでもふつうの羊羹の場合。これは栗羊羹なのだから、舌先で甘い塊を融かした果てに探り当てるのは栗なのだから、暗黒から現れるこがね色のそれは、まさに千金を探り当てたが如き多幸感を味わえる。
と、この栗羊羹、その千金が如き栗がごろごろと入ってるわけだから、毎度一寸ほどに切り分けて、くだんの多幸感を味わう。
まるでマッチ売りの少女が、マッチ一本の火に幸福なまぼろしを見たように。
でも、マッチ売りの少女がマッチを燃やし尽くした後に最期を迎えたように、栗羊羹を食べ尽くすと・・・
まあ、今のところなんともないけど、でも羊羹ロスはちょっと厳しかったりして。
あの皮が薄そうで、いかにも瑞々しいって感じのじゃがいも。春先に出回る新じゃが。鹿児島産の新じゃが。おそらく、そこからどんどん北上していくんだろな。桜前線みたいに、新じゃが前線なんてのがあったら解り易いんだろうに。
で、その新じゃがをつかって肉じゃがを。
いつものとおりフライパンで牛肉を炒め、脂が出てきたらにんじん、玉ねぎ、そしてじゃがいもを加える。じゃがいもの周りが少し半透明になった頃合いで鍋に移し、醤油90ml、砂糖30gを加えて落し蓋をし、さらにもう一重蓋をして煮ていく。鍋は両手鍋。これがポイント。
で、先のフライパンを洗わずにもう一度火にかけ、いったん湯通しした糸こんにゃくを炒め、酒60mlを加えてからフライパンの周りにこびりついた油や旨味をこそげ落として鍋に加える。
それから少し煮込み、頃合を見て鍋を両手でつかみ、鍋を振って上下を入れ替える。両手鍋を使った理由がここにあるわけ。
とまあ、こうしたプロセスでできあがったのが先の画像の肉じゃが。もちろん、くだんの新じゃがはほっこりと。
で、合わせる主菜はというと、以前にも書いたとおり、きほんは焼き魚なんだけど、今回はプチサレと春キャベツを焼いて。。
今回仕込んだプチサレはこれでおしまい。また良さげな豚ばらか肩ロースがあったらね。
それから、この日はいつもの味噌に、少し白味噌を加えて。
白味噌は、クリームシチューの隠し味なんかにも使うんだけど、そろそろ早いめに食べてしまわないと。まだもう少し残ってるけど。
で、この日はプレミアムモルツを。
最近はなぜかビールが多い。なので、エビスと交互に飲んでる。
まあ、いずれにしても、きょうの主役は新じゃが。新じゃがの肉じゃが。
そのうちコロッケでもしようか。グラタンなんかもいいし。
でも家人らは、「じゃがいもはそのまま焼くのがいちばん」なんて呟くんでねぇ・・・
きのうはシゴトで遅くなるっていうのを見越して、休みの月曜日に関東煮を炊いた。
3月に入ってから、ていうか、その前から春の兆しがめざましくて、なかなか鍋物をするっていう気になれなかったからね。
でも、このままいけば春はおろかすぐに夏めいてくるような、そんな不安(?)もあって、駆け込みで炊いたわけ。
で、関東煮にはなぜか酢の物。
それも、カニかまぼこで酢の物っていうのが、なんだか定番の組み合わせのようになってきた。
ただ、今回は生姜を切らしてしまい、針生姜を留められなかったのはちょっとザンネン。なまじっか、カニかまぼこが主役なだけに、そういうデティールをしっかり用意しないと、なんだか薄っぺらな味になってしまうんで。
それから、関東煮には焼酎かビールか迷うところなんだけど、今回はエビスで。
冬の気配がすると、熱燗が飲みたくなるんだけども、今回は春の気配。いや、それを通り越して夏の影を感じたのか、ビールっていうキブン。
で、関東煮をうつわに盛って。
でもって、柚子胡椒を・・・と思ったんだけど、柚子胡椒も切らしてたっけ。
今回はいろいろ足らないものがあって、ちょっと不本意だけど。
おそらく、今シーズンに関東煮を炊くのはこれが最後で、また秋祭りになるまで関東煮を炊く機会もないだろうし。
まあ、それまでに生姜はともかく、柚子胡椒と、それに焼酎も仕入れておかないといけないなぁ。
先週、ひさしぶりにシナモンロールのことを書いたんだけど、そうなるとなんだか気になって、ちょっと用事で梅田へ出かけた帰りに、北新地のル・クロワッサンでもシナモンロールを買ってきた。
クロワッサンのふるさとはフランスだから、どんなかなぁって思ってたんだけど、見た目は渦巻き型のアイシングがかかったアメリカンタイプって感じ。
で、買ってきて、3日ほど寝かせておいたイルガチェフェのハルスケを。
このあいだ、いつものBeans57へ出かけたら、今から焙煎するよと、わざわざ焙煎してくれたハルスケ。でも、焙煎したてだから3日ほど我慢してねと言われたとおりに。
さて、くだんのシナモンロール。
見た目はアメリカンタイプかなって言ったけど、どうやらこれはデニッシュ系の生地。
まあ、もともとはクロワッサン専門店だからアタリマエかな。
でも、こうなるとどうも映画で見た、フィンランドタイプのシナモンロールが食べたくなる。なんでもフィンランドのはカルダモンが入ってるそうで、それにかたちも単純な渦巻き型ではなくて、フィンランドのは長いロールを台形にカットして、さらに耳のように(?)押し潰すのが特徴なんだと。
と、シナモンロールは本場のが食べたくなったんだけど、コーヒーのほうはこれがイイ。
やっぱりハルスケさんがいちばんしっくりといく。
ちなみに、フィンランドを本場のように書いたけど、シナモンロールの発祥は、じつはスウェーデンなんだとか。
それはともかくフィンランドのシナモンロールが食べたい。
ちなみに、先週触れた電子書籍「デザインあふれる森の国フィンランドへ」には、レシピが載ってたので控えてある。あとはやる気の問題だな。
春キャベツが出回ってる。
あの青々とした葉っぱのが店先に並ぶと、「キャベツくん」を思い出してしまう。
「キャベツくん」。長新太さんの絵本。むかし娘らに読んであげたんだけど、夢中になったのはぼくのほうで、ずっと脳裏にこびりついてる。
で、登場人物のブタヤマさんがキャベツくんをつかまえて叫ぶ。「キャベツ、おまえをたべる!」
で、こっちも同じように叫ぶ。「キャベツ、おまえをたべる!」
ただ、こっちはブタヤマさんのようにすぐにかぶりつくようなことはせず、餃子にして。
春キャベツの餃子。
で、餃子にしても、かぶりつくと、中から青々としたキャベツが覗く。
それが甘くてみずみずしい。
それから、残りの柔らかいところはザクザクにちぎって中華丼に。
餃子もそうなんだけど、この中華丼も本来は白菜なわけで、白菜に倣ってクタクタにして。
それでも甘みはやっぱり春キャベツ。
で、餃子といえばビール。
自分でつくった餃子を自賛するのもなんだけど、うまい! ビールと一緒ならサイコー!!
というわけで、「キャベツ、おまえをたべる!」
すると、キャベツくんは「ぼくをたべると、キャベツになるよ!」っていうんだけど、たまらずキャベツにかぶりついたブタヤマさんは鼻がキャベツになってしまう。
ぼくは、外見上はなんともなさそう。でも、アタマのなかがキャベツになってたりしてね。
雛人形を出してない。
出し忘れたんではなくて、そろそろ出さないとと思ってるうちに。
七段飾りはともかくとして、せめて木目込み人形でもとは思ってたんだけどね。
なので、ひな祭りはそっとしておいて、代わりにステーキでも。
上の娘が不在で3人での夕餉だから、二枚入りのステーキだと二パック買うと一枚余る。まあ、家族全体でシェアすればいいんだけども、それを見越してこの日はフィレとミスジと。
で、サラダにもローストビーフを。
それに、肉に対抗するために、いつものトマトやレタスに加えて、この日はわさび菜を。
もうちょっとピリッとしてくれてもいいんだけど、それだと下の娘からNGが出るかもしれないから。
と、上の娘がいなくても、下の娘を慮らないといけなくて、スープは娘らが好きなじゃがいもスープ。
それからワインは、トーレスのアルトス・イベリコス・パルセラ・デ・グラシアーノ。
以前にも書いたとおり、バルセロナで買ってきたワイン。
とうとう二本目にに手を出した。
まあ、すべてのワインはいずれ飲まれるためにある、ぼくにとっては。
というわけでひな祭り。
いやいやそのワードはそっとしておくんだったっけ。
この前はつれあいの意見を退けて、アンチョビフィレと菜の花のペペロンチーノをつくったので、今回はつれあいがリクエストした茄子のボロネーゼを。
カンタンだ。
なにせこの前仕込んだラグーソースを冷凍してあったので。
ミンチにしたスジ肉と挽肉をずいぶんと煮込んだソース。
それにあらたにトマトペーストと挽肉を加えて。
トマトペーストはともかく挽肉を加えたのは、肉の焦げた匂いを少し加えたかったから。
なので、フライパンで挽肉を焼き付け、そこへ冷凍のラグーソースを加えるっていう算段。
それからトマトペーストとソテーした茄子を加えて味を調える。
それにサラダ。
春は野菜に事欠かない。
この日はいつものトマトやレタスに加えて新たまねぎを。
でも、ちょっと晒しが足らなかったかな。ちょっと苦い。
で、いつものバゲットアンジュをリベイクして、つれあいのリクエストどおりのパスタランチが完成。
というわけで、つれあいのリクエストの茄子のボロネーゼ。
できはまずまず。ちょっとソースが足らないかな。その分肉々しい。あとでバゲットに乗せて食べるとそれもいい。
冷凍のラグーソースはもう一袋。あと一回はリクエストに応えられるかな。
甥っ子からおみやげをいただいた。
なんでも、このあいだまでニューヨークへ行ってたそうで。
で、おみやげにいただいたのはジャックトレスのチョコレート、“ジンジャー”。
その名のとおり、生姜のシロップ漬けをチョコレートでコーティングしてる。
口の中へ放り込むと・・・こいつがなかなかクセがスゴイ。
まずはチョコレートの味が漂うんだけど、ひとくち齧ると、生姜の香りがボワンと口いっぱいに広がる。
この刺激的な味わい、何に合わせようか?
最初はてっきり紅茶と合わせたらいいかと思い込んでた。
でも、なかなかの刺激、これに太刀打ちするとなると・・・
コーヒーでも、お茶でもないし・・・
と、考え込んで、最後に閃いたのがコレ。
百年の孤独。
焼酎なんだけど焼酎っぽくないというか、長期熟成でウイスキーのような味わい。
これをストレートで。
で、肝心の“ジンジャー”との相性はというと、これがいい、予想以上にいい。まるで、魔術的リアリズムのような味わい?
と、大袈裟に書くのはともかくとして、それでもしばらく夜中の密かな愉しみにしておきたいくらい。
また太るなぁ、きっと・・・
きのうは、かぼちゃの山吹色とトルコ釉の青との組み合わせについて書いたんだけど、トルコ釉の青ならキムチの朱との組み合わせも捨ておけない。
なわけで、前日にお好み焼きに入れた残りのキムチで豚キムチを。
豚も玉ねぎも、キムチと一緒に炒めれば、すべて朱色に染まるわけで、そういう意味で上に留めた葱の小口切りは欠かせない。
それから、このあいだ、デカい大根を買ってきたので、その大根を手羽元や鶏そぼろとスープに仕立ててみた。
このうつわ、ゆるく唐草っぽい模様が描かれてるんだけど、残念ながら二組しかないんで、たまに夫婦で使ってる。奥のはモノトーンなんだけど、手前のは模様に朱が入ってる。そのあたりがちょっといいねぇ。
それから、餃子。
きょうはがんばってつくろうかもと思ったんだけど、ちょっと時間不足で。
なので、王将の冷凍餃子。
それに、がんばっても、こんなきれいには羽根付き餃子はできないし。
と、全力投球とは言えないけども、やれやれのビール。
というわけで、この日はキムチの朱とターコイズブルー。
なかなかこのうつわ、オレンジ系の色合いがよく似合う。
今後もちょこちょこ活躍してくれそうだなぁ。
以前、つれあいの実家からいただいてきたトルコ釉のうつわだと映えるんじゃないかなぁって。
なので、この日はかぼちゃと新じゃがのそぼろ煮。
思ったとおり、かぼちゃの山吹色とみどり、それに新じゃがの淡黄蘗がターコイズブルーのうつわに映える。なかなか春っぽいなぁ、まだ冬だけど。
で、そぼろ煮に合わせてさかなを。
鯛の造りはちょっと派手なうつわに。
皮を引いた鯛は白とピンクがまだらになってるので、こんなうつわがいいかなぁって。
反対に、焼き魚はちょっと落ち着いたうつわに。
焼き魚は、鯖と鰤。
焼き魚だけなら、もうちょっと違ったうつわに乗せるんだけど、鯛の造りに派手なうつわを使ったので、こちらはちょっと落ち着いて。
で、いつものとおり、ごはんと味噌汁。
味噌汁は、にんじん、だいこん、小芋に油揚げ。上に三つ葉をとめる。
それを塗りの椀に。でもって、ごはんは蛸唐草のお茶碗で。
それから、お酒はちょっと趣向を変えて、この日は住吉を。
むかしむかし若い頃によく飲んでたお酒。ササニシキを使った辛口のお酒で、ほんのりと樽の色と香りがついてる。
で、その味に合わせて、ちょっと野趣のある酒器で。
うつわは、詳しくない。
だから、素人が味や雰囲気に合わせて選んでるだけ。
なので、詳しい方からすれば笑ってしまうような使い方をしてるのかもしれない。
もっとも、肝心の料理も自己満足の域を出ないからねぇ。
つれあいがヘアサロンから帰ってきた。
なんでも新しいヘアサロンなんだそうで、担当していただいた店員の親戚がフィンランドに居るっていう話で、髪の毛を切ってもらいながらの四方山話でずいぶん盛り上がったらしい。
「フィンランド?」
そう聞いて思い浮かぶのはアルバ・アアルトのこととか、ムーミンのことくらい。そういえば映画「かもめ食堂」の舞台もフィンランドのヘルシンキだったっけ。
でもって、かもめ食堂といえば、シナモンロール!
ずいぶんと回りくどい話なんだけど、ちょうどそのときシナモンロールを食べようとしてたんで。パン工房SAKAGUCHIのシナモンロール。
もっとも、食べようとしていたシナモンロールは、アイシングたっぷりのアメリカンタイプのやつなんだけど。
でも、そのおかげで甘さがひとしお。シナモンがくっきりとした香り
甘いものが欲しかったので、ちょうどよかった。
で、その甘いシナモンロールにはちょっと不似合いかもしれないけど、イルガチェフェのチェルベサを。
まあ、悪くはないけど、シナモンの香りでチェルベサの繊細な味がわからなくなるんでねぇ。
それから、つれあいはネットで図書館へアクセスし、さっそくその親戚が著したっていう
電子書籍「デザインあふれる森の国フィンランドへ」を閲覧。「バルセロナの次はヘルシンキもいいかもね」って。
ノルウェー産のサーモンが手に入った。
最近はチリ産のに押されて、なかなか探すのがむつかしくなったけど、どうもノルウェー産のでないとなぁ〜っていうんで。
今はいないけど、よく上の娘なんかが食べ物にマヨネーズを絞るところを見てると、ゲゲゲと思ってしまう。
でも、ホイル焼きのときは、負けずにゲゲゲというくらい絞る。
それから、寒いからほったらかしにしてた庭のじゃがいもを、このあいだ妙に暖かくなった日に掘り返したので、それを。
北あかり。
まあ、ほったらかしにしてた割にはまともに育っててくれた。
もっとも、量はちょっとだけどね。
で、じゃがいものバター焼きはともかく、ホイル焼きっていうのもあんまり洋風って感じがしなくて、副菜は煮びたしを。
とはいえ、いつもの小松菜ではなくて、水菜と油揚げ。
小松菜の煮びたしなら、翌日まで置いておくと味が染みてうまくなるんだけど、水菜は一晩越すと元気がなくなり過ぎるんで、これは早いめに。
と、この日も中途半端なんだけど、合わせるお酒は白ワインにしようって。
というわけで、ひさしぶりのノルウェーサーモン。
でも、マヨネーズまみれだからなぁ。
今回は、おとといつくったカリフラワーのパスタのことを。
きのうは、つれあいの誕生日に出かけたイタリア料理のことを書いたけど、別にそれに対抗しようって気はさらさらない。きのうはずいぶん丁寧に書いたので、きょうはさらっと書ける内容のをと思っただけで。
で、つくったのはカリフラワーとプチサレのオイルパスタ。
パンチェッタ代わりに仕込んでおいたプチサレを焼き、パスタと一緒に茹でたカリフラワーを潰して、オリーブオイルで絡めただけの簡素なパスタ。
パスタはリガトーニ。リガトーニの茹で時間は9分って書いてあるんだけども、ハナから信じてない。じっさいにも、9分の時点ではまだまだゴワゴワ。だいたい15分と踏んで茹でてる。
で、その間にサラダの用意。
サラダは、前日につれあいが買ってきてくれた海鮮サラダに少し手を加えただけ。
画像ではわかりにくいけど、中にとびっこが入ってて、それがプチプチとはじけてなかなかおいしい。
で、パスタに話を戻して。
ずいぶんと茹でるのにながくかかるリガトーニ。でも、カリフラワーはそれを見越して一緒に茹でてる。
要はぐずぐずになるまで茹でて、それをオリーブオイルでまとめようっていうねらい。
ねらいどおり、カリフラワーは煮崩れた芋のような感じに仕上がって、パンチェッタ代わりに使ったプティサレの塩気がアクセントに。なかなかうまくいったなぁ。
でもって、パンはつれあいが買ってるプチパンをいただいて。
というわけで、この日はカリフラワーのパスタ。
どこかで読んだけど、カリフラワーは、アブラナ科の野菜の中でいちばん人気がないんだそう。まあ、わが家でもぼく以外には敬遠されがちで、ちょっと可哀想。
なので、ひとりのパスタのときは積極的に食べてやろうってことで、今回はがんばったつもり。
でも、ねらいどおりに仕上がったけども、それがカリフラワー本来の味わいかたでもなさそうだし。次はちゃんと食べてやろうかね。
ここ最近、つれあいが「イタリア料理が食べたい。」って呟く。
行きつけの店も何軒かはあるけど、あたらしい味が食べたいという。
そんなわけで、つれあいの誕生日。ネットで見つけたアンティカオステリア、ダル・スペッロっていうお店。つれあいならずとも、どんな料理か楽しみだねぇ。
というわけで、まずはこの一皿。
蕪のピュレ。カニのレモンマリネ、コンソメのジュレにオリーブオイルを数滴垂らしてる。
あたらしい店の最初の一皿っていうのは、期待と不安が入り混じったとくべつな重みがある。そういう意味ではちょっといいねぇ。
ワインはペアリングをお願いした。
なので、お店のほうで料理に合わせてペアリングしてくれるんだけど、だいたいの好みを聞いてくれるわけで、まずは泡をお願いした。
で、お店でセレクトしてくれたのはフェッラーリのマキシマム・ブリュット。
シャルドネらしいクッとした味わいで、一皿目同様、こちらもちょっといいねぇ。
それから、なにやら豚肉のようなのに包まれた一皿。。
中身は子牛のタンのテリーヌで、包んでるのは豚のハム。コンソメで炊いた冬キャベツなんかも入ってて、それにマグロとインゲンのソース。
ピエモンテの料理なんだそうだけど、これはどう形容していいものか。
で、合わせるワインはピエモンテの自然派ワイン、カンタメッサのシャルドネ。
なんていうか、先のスプマンテもシャルドネだけど、同じシャルドネでも、こちらはすいすいと引っ掛かりがない。
で、途中で供されるフォカッチャ。
フォカッチャにも幾つか種類があるようで、まずはゴマとアンチョビ、ほうれんそうのフォカッチャ。
これ、幾らでも食べられそうでこわいなぁ。
それから、料理のほうは、次は鱈の白子。
鱈の白子にデュラムセモリナをまぶし、カリッと焼き上げてる。
ソースはアンチョビとトマトと唐辛子の。
上に乗っかってるのはチーマディラーパっていうイタリア野菜。菜の花みたいな感じかな。
それから、ケイパーとかモリーカが散らされてるんだけど、モリ―カに入ってるイタリアンパセリやセロリのニュアンスがふうわりと漂ってる。
で、これにはVEA–トレッビアーノ・マチェラートっていうワイン。
トレッビアーノっていう白ワイン用のぶどうなんだけど、このワイン、赤ワインのようにセメントタンクに皮ごと漬け込むマセラシオンのおかげでけっこうクセ強。それで鱈の白子の一皿に対抗しようという魂胆だな。
で、ここでまたインターバルのフォカッチャ。
こんどはじゃがいものフォカッチャ。
角が立ってるのが、なんだかスターウォーズの悪役みたいな。
で、料理に戻って。
次はほんらいだと、プリモのパスタなんだけど、ワインのペアリングのことなんかを考慮に入れてセコンドの魚を先にということで。鰆のソテー、鰆と白ワイン、マスタードのソース。
ムニエルではない。
粉を打つと重くなるのでっていう理由なんだそう。
皮目をこんがりと焼き上げ、しっかりとした感触をつくってる。
で、この一皿にはこんなワインをペアリング。
フランコーネっていうピエモンテのワイン。グリニョリーノっていう土着品種が使われてる。
特徴的なのはこの色調。淡い淡い赤ワインなのか、それとも、濃い色調のロゼなのか。
なんだか色だけ見てると甘いワインみたいなイメージなんだけど、それをいいほうに裏切ってくれる。
続けて順序を後にしたプリモ。ほうれんそうのボロネーゼ。
手打ちのタリアテッレ。
そういえば、ずいぶんながいあいだ、手打ちのタリアテッレを打ってないなぁ。パスタマシーン、どこにしまい込んだかなぁって、思わず回想した。
で、ボロネーゼには、玉ねぎのフォカッチャを。
結局、フォカッチャは4種類あるそうで、最初のゴマとアンチョビ、ほうれんそうのフォカッチャ、次のじゃがいものフォカッチャ、それから玉ねぎのフォカッチャときて、残ったトマトのはもう断念した。
そして、ワインのほうも最後の一杯。バローロ、スクリマリオっていうバローロ。
ネッビオーロにしてはタンニンがおとなしいかな。
で、そのバローロで食するのはA4ランクの黒毛和牛のマルシン。
それを赤ワインとシナモン、黒胡椒のソースで。
あああ、おなかいっぱい。たぶんフォカッチャのせいかな。
で、デザートワインもおススメいただいたけど、この日は5杯いただいて、家人らからは冷たい目で見られそうなので、少し残念だけど辞退した。
もちろん、きのう書いたように、バースデーケーキもあるし。
というわけで、つれあいの誕生日をイタリア料理で。
でも、また隣でつれあいが呟いた。「あああ〜、イタリア料理食べたい」って。
まだかぁ〜!
このあいだ、家族で食事に出かけたときにおみやげに買ってきたケーキ。
食事のことよりも先に書くのは順序があべこべなんだけど。
まあ、正確に書くと、家族との待ち合わせの前になんば高島屋のダイワ果園で買ったので・・・
それでもやっぱり順序は逆だよなぁ。
でもまあ、それはともかく。
ご覧のとおりバースデーケーキ。
つれあいの。
歳は5歳でも50歳でもないんだけども、ろうそくを5本。
部屋の明かりを消して、ろうそくを吹き消した後はコーヒーを淹れ、切り分けていただく。
この日は残りわずかとなったイルガチェフェのチェルベサを。
で、肝心のダイワ果園のバースデーケーキ。
なんば高島屋には、グラマシーニューヨークとかミシャラクとか、いろんなパティスリーが入ってるんだけど、つれあいがいちばん好きそうなのは、やっぱりここのかなぁと推察して。まあ、言ってみればフルーツのクオリティを最優先したわけで。
というわけで、つれあいへのバースデーケーキ。
フルーツのクオリティを最優先してって書いたけど、ここのスポンジもクリームも、名だたるパティスリーにも決して引けはとらない、なかなかのおいしさ。
なによりもつれあいのリアクションを見れば、結果的にこの選択が正しかったよう。
なわけで、あしたは順序があべこべになった食事のことでも。
鯖が好き。
なんだけど、家人らは鯖というと、あんまりいい顔しない。
寒い時期の、脂の乗った鯖は絶品なのにね。
なので、今回は小さめの切り身を塩焼きにした。
小さくてもこの時期の鯖、けっこうな脂の乗り。
もっとも、この脂の乗りが苦手っていう話なら仕方がないけど。
とはいえ、こんな小さな切り身だから・・・
それでもだめならシタを喰えと。
舌平目の煮つけ。
浅く、さぁっと炊いただけなので、鯖とは対照的にあっさりした味。
それに、ちょっと味は被るかもしれないけども、残り物の筑前煮。
まあ、こっちはくっつりとした味だから。
もちろん、もともとはこの筑前煮と鯖を合わせようとしたのがきょうの組み立てなんだけど。
それに味噌汁とごはんをつければ、いい感じの焼魚定食になるわけで。
で、もちろん、自らの労をねぎらい、お酒を一杯つけて。
お酒はこのところずっと飲んでる〆張鶴の純。
この酒のラベルと酒器の模様とが同じようなテイストで、それがちょっと気に入ってる。もちろん、お酒自体も。
というわけで、鯖。
それに舌平目の煮つけと筑前煮の残り、味噌汁。。
きょうのは全体的に茶色っぽい。
薬味の葱は省いたし、筑前煮にもインゲンを入れてあったつもりなんだけど・・・
まあ、きょうのは手前勝手な鯖だからなぁ。
この前にも書いたけど、ことしから上の娘が東京へ行ったので、現在わが家は三人家族。
だけど、ついつい四人分の料理を用意してしまう。
このあいだもまた焼売をつくったけども、ついつい蒸籠二段分。
もっとも、これは市販の焼売の皮が24枚だから仕方がない・・・
だったら、皮を余らせればいいじゃない・・・なんて言われると、反論の余地もないんだけども。
それから麻婆豆腐。
これはもう、四人前にちょうどいい350gくらいの豆腐がいちばん品揃えが多いんで。
だったら、豆腐を余らせればいいじゃない・・・なんて、もう聞きたくないよ。
結局、麻婆豆腐を余らせて、翌日に持ち越し。
で、翌日のメニュウも麻婆豆腐をとっかかりに、でも、中華料理が二晩続くのもどうかと思うし、結局、下の娘が好きなチキン南蛮を。
チキン南蛮は、一人につきだいたい鶏もも半分っていうのが目安。
三人だと一枚半ってことになるから、いっそのこと二枚使って四人分つくってしまえと。
また一人前余らしてしまったけども、これは翌日のお弁当のおかずに。
と、麻婆豆腐とチキン南蛮。
合いそうで合わなさそうで、なかなか微妙な選択。
ただ、この日はキャベツのせん切りではなく、ローストポークのサラダを用意。
あらかじめオリーブオイルでマリネして、食べる直前にローストポークのソースを絡めるっていうスタイル。ぼくは好きなんだけど、家人には不評。なので、次回からはそのあたりをあらためないと。
で、麻婆豆腐はともかく、チキン南蛮やローストポークサラダに合わせて、軽いチリピノ、イン・シトゥのピノを。
というわけで、ついつい四人分。
そのうち三人分に慣れるかな。
でも、またそのうち四人分になったり、反対に二人分になったりしてね。
パンはいつも食パンかバゲット。
たまにはそれ以外のパンにも手を伸ばすけど、菓子パンや総菜パンにはあんまり食指が動かなくて、せいぜいロールパンのようなプレーンなパン。
で、今回は小麦屋弥平で買ってきたオリーブパン。
オリーブオイルを使ったパンと言えば、フォカッチャなんだけど、フォカッチャではないのかな。
オリーブパンはふつうのパンのようにコロンとしてるから?
フォカッチャは、焼き上がりが平らになるようにくぼみをつけて焼くのが基本なんだけど、違うのはそこなんだろか。
ま、あんまり考えずにいつものとおり何か挟んで食べようと。
厚切りのベーコンがあったので、それを焼いて。
あとはレタスとトマト、それにマスタードを添えて。BLTだな。
BLTバーガーっていうのもあることだし、食パンじゃなくても、オリーブパンでもBLT。
で、BLTにはビールでしょ。
でも、昼間っからビールを飲むのはそれなりの覚悟がいるわけで、これもいつものように尻尾を巻いてノンアルのビール。
もちろん、ホンモノのビールが欲しいところだけども、なかなかこれはこれで満足。
いや、でも、やっぱりビールが欲しいなぁ・・・
前にも書いたけど、下の娘は小さい頃から甲殻類アレルギー。
でも、成長につれて徐々に耐性がついたのか、最近はむしろ積極的に、「エビチリ」なんてリクエストをするようになってきた。
まあ、うれしいかぎり・・・
・・・なんだけど、もっとデカい海老とか、リクエストも概して高めだったりして。
で、このところ何度か触れてるように、上の娘が東京へ行ったので、下の娘の意向や趣向がリクエストに強く反映されるようになって、この日の副菜は下の娘が好きな鯛の造り。
もっとも、下の娘は鯛と金柑の組み合わせは気に召さないようなんだが、これはぼくの好みをごり押しして。
金柑の酸味と胡麻油の風味、醤油の塩味が合わさるとなかなかおいしいんだけどなぁ。
で、この日はいつものとおり、青梗菜とえのきのスープを添えて。
あとはエビチリと鯛に合わせてワインを。
イン・シトゥっていうチリワイン。ぶどうはシャルドネとヴィオニエと。
金色の色調がなかなか魅力的だけど・・・
というわけで、この日は下の娘の意向を汲んで、エビチリと鯛と。
もっとも、決定権はぼくが握ってるわけで、いや、最終的な決定権は鶴の一声を持つつれあいだったりして・・・
以前お仕えしてたトップの方から「忘年会しよ」ってお声がけをいただいたのは去年の11月のこと。
それが流れ流れて新年会となり、その時期も過ぎた時分にようやく。
その時期一緒にお仕えしてた上司の方々とふぐを。
といってもハナからフグは出てこない。
子持ちのセコガニとか、銀杏とか。
そんなのをつっつきながらビールをいただいてると、さっそくふぐ皮がやってきた。
ふぐ料理っていうのは、どこへ食べに行ってもだいたい流れはそんなに変わらなくて、まずはふぐ皮っていうのがお約束。でもって次はだいたいてっさが来る。
見込みどおり。
でもって、そのあたりでお酒を注文するっていうのもお決まりのパターン。
で、この日はメニュウにたしか、天野酒と秋鹿、亀齢と並んでたので、亀齢をまず。
ただ、このあとの展開がずいぶん早くて、亀齢をすいすいと喉に滑らせた後、さっそくヒレ酒を注文する。
たっぷりのヒレ。
注ぎ酒に備えてヒレを引き上げると、お茶かと見まがうほどに黄色く色づいたヒレ酒。
で、もちろん注ぎ酒をいただいたあとなんだけど、さっそく次の酒。
メニュウに3種類しかなかったもんだから、他に何かない?って店の人に尋ねると、ごそごそといろいろ出てくるわけで、まずはその中から得月っていうのを。
新潟のお酒。純米大吟醸。酔っぱらいに飲ませるにはもったいないようなお酒なんだけどなぁ・・・
と、そこへようやく。てっちりの用意が整ったようで。
特大の皿にふぐがぎっしりと。
でもって、これとは別に白子がやってきた。
鍋に入れるんじゃなくて、焼き白子。
傍らのスダチを絞って。
たしか、おいしかった・・・はず。
どんな味かは再現できないけど、ああ、おいしいって思った感情だけは覚えてる。
例によってこの頃になると記憶が曖昧になるっていうのもまた、お約束のパターン。
なのに、このころにおいしそうなのがまた出てくる。
ふぐずし。
無造作に口にポイって放り込んだけど、これもまたおいしかった・・・はず。
それに唐揚げも。
お酒のほうは、相変わらず飛ばしてる。
次におろしたのは日下無双っていうお酒。
純米で、精米歩合が60、無濾過の生。
でも、お酒の味よりも、真っ赤なボトルが鮮烈で、そっちに気をとられてしまうな。
でもって、さらにお次が緑川の大吟醸。
と、これ以外にも、なんだかとんでもないお酒を飲んだような気がする。
盃の画像は残ってるんだけど、酒瓶の画像がなくて、何かわからずじまい。
でも、おぼろげな記憶が、なにかとんでもなくレアなのを飲んで、飛び切りうまかったっていう感情の記憶しか残ってないわ、残念ながら。
で、局面は〆にさしかかって。
〆はもちろん、お約束の雑炊。
これを食べないとふぐを食べたことにはならないからね。
で、最後が水菓子で。
というわけで、開くまでずいぶんかかった宴。
忘年会改め、新年会改め、ふつうの飲み会ってことで。
しかし、歳も歳なのにずいぶん飲んだなぁ。
土曜日はパスタ。
最近はなかなか続けるのもしんどくて、たまに焼きそばやうどん、広義に解釈して麺類ならまあいいかっていうところまでハードルを下げてきたんだけど、今回はとうとう皿うどん。思えば遠くへ来たもんだ。
麺も餡もベースは市販の。
ただ、餡のほうは豚肉やにんじんと、山盛りの白菜、青梗菜を加えたのでその水分でずいぶんと水っぽくなる。だから、少し片栗やオイスターソースなんかを加えて味を調えてる。
それから、冷凍しておいた自家製の餃子。
ただ、餃子がこれだけではとてもとても・・・
なので、これも残り物だけど、551HORAIの エビ焼売。
まあ、パスタだったら、サラダとバゲットだけでいいんだけど、皿うどんだとねぇ。
でも、まああ、いろいろ残り物なんかを寄せ集めて、なんとか格好をつけたっていうわけで。
で、パスタのときは、たまにワインを持ち出すんだけど、皿うどんにはビールだねぇ。
というわけで、パスタに代えて皿うどん。
いろいろやったけど、でも、パスタの代わりって感じがまったくしないなぁ。
本来なら、きょうはスイーツの話をする順番なんだけど、おとといにバレンタインデーのことを書いたし、きのうはきのうで食べ物から離れた本のことを書いたので、きょうは代わりにふだんの料理のことを。
揚げ鶏の葱ソース。
むかしっからたまにつくってる料理。
もとは栗原はるみさんのレシピ。でも、ながいあいだにいろいろ換骨奪胎してるので、もはや自身の料理ともいえるほど。
改変した特徴のひとつは、モモ肉を棒状に丸めて揚げるというところ。
こうすれば、皮がぐるりとモモ肉を囲むので、栗原さんがこの料理の発想の原点に置いてあった油淋鶏により近くなるし、なによりも内側に肉汁が満々と湛えられたままにできあがるので。
で、この料理のときはじゃがいもスープがいいね。
そういえば東京にいる上の娘。
じゃがいもスープのレシピを送ってあげたけど、うまくつくれたのかなぁ。
きのうは葛仕立ての湯豆腐のレシピを訊いてきたから、じゃがいもスープは卒業したのかな。
さて、揚げ鶏の葱ソースのもうひとつの特徴というべきか・・・
というのも、もうひとつの特徴は、料理法の改変ではなくてソースの使いみち。
ソースはもちろん、この料理のために考えられたレシピなんだけど、このソース、なぜかいつもずいぶんと余らせてしまう。レシピの半量でつくってるんだけどねぇ。
で、それをあるとき冷しゃぶサラダにかけてみたら、これがずいぶんとイケたものだから。
だから、この料理、冷しゃぶサラダにふさわしい季節によくしてる、いま思えば。
でも、最近はチキン南蛮に圧されて、あんまりしてなかったもんだから。
で、今回のこの料理に合わせたのは、モンテス リミテッド・セレクションっていうの。
ぶどうはカベルネとカルメネール。
どう違うかと訊かれてもあんまりわからないけど、口当たりがまろやかに感じるのは、カルメネールのせいかもね。
というわけで、ひさびさ揚げ鶏の葱ソース。
最近はチキン南蛮にずっと圧され気味だったしねぇ。
月に一度の本の話。
基本的にここでは食に関する本を紹介してるんだけど、先月に書いたように、最近読んでる本でいいなぁって思うのが、食以外の領域のが多いんで、ちょっと取り混ぜていこうかなということで。
井上靖と司馬遼太郎。
ともに、文学史に聳える巨人である。
二人の巨人はともに、昭和のある時期、新聞記者として美術と宗教を担当し、のちに作家へと転身した。
美学美術史を学び、編集者となった著者は、その仕事のなかで、かつて美術記者であった井上靖と司馬遼太郎に、出会ってしまったのだという。
「愛読する作家はともに美術記者をしていた・・・気になって仕方がない。いつしか二人の美術記者の周辺をたどることは、自分に与えられた課題に思えてきた。——美に出会い、接した日々は、のち小説家となった二人にとってどんな意味をもったのか。生きている限り、常に人とともにある芸術とはいったい何なのか——これを越えないと、どこだかわからないが次に進めない山となったのである。」
ブルガリア出身の造形作家、クリストは建築などの都市景観から山や島のような大自然を梱包する壮大なプロジェクトで知られている。
著者は、そのクリストを彷彿とさせるような筆致で、二人の巨人を梱包していく。ある部分は大胆に、そしてまた、ある部分は細心の注意をもって精妙に包まれた被膜のような文章を通して、ぼくらはふたりの巨人をあらためて識ることができる。
じつのところ、一方の巨人、司馬遼太郎は「竜馬がゆく」、「坂の上の雲」、そして「この国のかたち」と、数々の著作に親しみ、薫陶を受けてきた。
が、もう一方の巨人、井上靖は——怖かった。未熟な自分が、その高みに理解が届くとはとても思えず、この巨人の領域に足を踏み入れるのが怖かった。
でも、著者の文章は、井上靖のゴヤへの熱中を、さまざまな角度からみごとに梱包している。梱包されたゴヤへの熱中に触れ、井上靖という巨人の肩に乗ってゴヤを観てみたいという強烈な思いに駆られた。
「巨人の肩の上に乗る」――読書猿が著した「独学大全」の中には、「巨人の肩の上に乗る」というメソッドが紹介されている。先人の積み重ねた成果の上に新しい成果を重ねることで、こうした先人の成果にアクセスすることさえできれば、我々は進んだ地点から、取り組むことができるという。司馬遼太郎をして、「誰も持たない美についての微妙な作用ができる天分をもっている」と言わしめた井上靖という巨人の肩に乗れば、目から鱗がぼろぼろと落ちるかもしれない。半ば本気でそう思っている。
「おわりに」で著者が言う。「美は、井上靖にとって自分に引き寄せて永遠をみせてくれるものであり、司馬遼太郎にとって人間とその精神を考えさせるものであった。それを促す、芸術とはなんと雄弁で懐深い世界であろうか——二人はそう伝えてくれた気がする。」
続く「あとがき」の後段に、著者はこんなふうに吐露している。また少し長い引用をお許しいただきたい。
「思えば長い時間をかけて断続的に書いているうちに、シンプルだった二人の美術記者への興味は、二人の生き方への興味へと移っていった感がある。人はつねに選択と決断と行為をしつづけなければならない。一度きりの人生をどう生きるか。それはそのまま、自分の問題としてつきつけられる。二人の足跡をたどることで、自分はどう生きるのか、結局それを考えたくて書いてきたように思う。井上靖も司馬遼太郎も、多かれ少なかれ与えられた境遇に縛られ、それぞれの葛藤をへて次の一歩を踏み出したのだ・・・」
このあと、謝辞などを認めてあとがきを締めくくるのだけど、思わず「序」に描かれた二人の巨人の出会いのシーンを思い起こしてしまう。
共通の話題もみつからないまま、司馬が「つい私事をいってしまった」。このたび自分は勤めを辞めて作家の道をゆくことにしたのです、と。すると井上は即座に答えた。
「それはようございました」
その声は、「ちょっと類がないほどにいたわりのこもった声」に感じられた。迷いがあった司馬は、「この言葉に救われた」という。
自分はどう生きるのか。葛藤を経て次の一歩を踏み出す。
「それはようございました」
井上、司馬ならずとも、ではないか。
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バレンタイン前夜は厨房を占拠される。娘が手作りのチョコをつくるから。
ことしはそんな兆しがないなぁと油断してたんだけど、やっぱり。
でも大丈夫。つれあいからバレンタインのチョコレートはあらかじめいただいてたから。
そのつれあいからのチョコ、以前なら当日のおたのしみだったんだけども、最近はあらかじめ、「ネット上に掲載されてるから、その中から欲しいのを申告するように」と。
で、勧告に従い、二三の候補を申告したら、何日か前につれあいが売り場へ出向き、じっさいによさげなのをひとつ買ってきてくれるというしくみ。
で、ことしは検索条件にマロンを加えて絞ったなかから、パティスリー・アテールというところのケイク・キャラメルマロンっていうの。
何日か前にいただいてたそれを、満を持して(?)きのういただいた。
コーヒーはもちろん、つれあいの思いに敬意を表してイルガチェフェのチェルベサを。
ぼくの好きなハルスケに較べて、シャープな味わい。
最近気づいたんだけど、少し高めの温度設定(93℃くらい)にすると、酸味が暴れず高貴な感じの味わいになる。これがいい。
でも、これ以上熱くすると、きっとダメなんだろうなぁ。
で、くだんのケイク・キャラメルマロン。
チョコレートでコーティングされた生地にはキャラメルが練りこまれてて、ところどころ栗がころりころりと入ってる。
バランスのいい甘さ。過ぎることもなく、かといって足らないこともなく。生地よりも栗のほうが甘いんだけど、それがとてもバランスよく。
というわけで、パティスリー・アテールのケイク・キャラメルマロン。
ことしのセレクトはなかなか。
どうせならネットで注文すればいいのにって思ってたんだけど、やっぱり実物を見ないといけないのだろうね。それともあのチョコレートだらけの非日常的な空間に身を置くことに意義があるのかな。
いずれにしても、次はホワイトデーに備えないといけないなぁ。
若い頃よく聴いてた加藤和彦さんの曲に、「ニューヨークコンフィデンシャル」っていうのがあって、その中に「♪君が好きだったエッグベネディクト〜」っていうフレーズが出てくる。
当時、それがすごく気になって、今でもエッグベネディクトって聞くとそのことを思いだす。
でも、今回はそんな格好のいい話ではなくて、きのう拵えたかぶら蒸しにタマゴの白身を使ったので、残った黄身をどうしようかと考えただけのこと。落差激しいなぁ。
さて、そのエッグベネディクト、イングリッシュマフィンにベーコンとポーチドエッグ、それにオーランディーズソースを加えてつくる料理。難しくはないけども、面倒くさい。殊にオーランディーズソースが。
ちょっと固めだなぁ。せっかく温度計つっこみながらつくったのに・・・
でも、そんなことよりもこのソース、タマゴの黄身だけを使うので、白身の引き受け先を考えてやらねばならない。そこのところがいちばん面倒くさく感じてしまうわけ。
だから、きのうのかぶら蒸しとか、塩竃焼きとか、タマゴの白身を使う料理と組み合わせるわけで。
それに、イングリッシュマフィンも慌てて探したけど、近くのブーランジェリーではなかなか見つけられず、仕方なくスーパーで買ったので。
と、いろいろ面倒くさいことをやっつけて、ようやくのエッグベネディクト。
だからこの日は昼間っから残り物のワインを引っ張り出してきて。
ほんとは泡がよさそうなんだけど、残念ながらシャルドネで。
で、エッグベネディクトに話を戻して。
ひとりだとフォークとナイフを出すのが邪魔くさくて、イングリッシュマフィンで挟んでそのままガブリとかぶりついたら、半熟のポーチドエッグの黄身がつつーと垂れる。
垂れたのがちょうどサラダのうえだったからよかったものの、それでも指はべとべとに。
というわけで、エッグベネディクト。
「ニューヨークコンフィデンシャル」のせつない、おしゃれなイメージとはずいぶんかけ離れてしまったけども、また今度、タマゴの黄身が余ったら。
三が日明けに睨み鯛を捌き、その半量で鯛めしを炊いた。
で、そろそろ残りの半量で、二度目の鯛めしを。
と、鯛めしを炊くんだから、どうせなら鯛づくしにしようかということで。
鯛の造りと塩焼きと。
ただ、塩焼きは娘だけ。
ぼくらは鯛のかぶら蒸し。以前つれあいからリクエストを受け付けてたので。
ただ、娘は蕪があんまり好きでない。なので、娘だけ鯛は塩焼きにしたっていう話。
とまあ、つれあいのリクエストには応えたわけなんだけど、このかぶら蒸しもタマゴの白身だけ使って、黄身を余らせてしまうので、いつも二の足を踏んでた。
ただ、今回は翌日ぼくだけ休みなもんで、その黄身を使ってエッグベネディクトでもしようかと企んでる。
で、くだんの鯛めし。
あらかじめ、身も捌いてあるし、だしもペットボトルに入れて凍らせてあるし、ほとんど手間は要らない。
あとは鯛めしに忍ばせておく生姜をみじん切りにしたのと、三つ葉を刻んだだけ。
だから、この日いちばん手間がかかってるのは、じつはかぶら蒸し。
とはいえ、絶好の酒のアテだからねぇ。
というわけで、二度目の鯛めしと鯛づくし。
あしたはたぶん、エッグベネディクトだなぁ。
きのうのパスタに使ったアンチョビ。
小さな横長の缶詰に入ってるやつなんだけど、パスタだけでは使い切れず、翌日に残りを使ってシーザーサラダを拵えた。
残念ながらロメインレタスがないんだけど、パルミジャーノをたっぷり使って。
ただ、クルトン代わりにしようと、薄く切ったバゲットアンジュを焼いたんだけど。ちょっと焼き過ぎてしまったかな。
で、同じようにちょっと焼き過ぎたスペアリブ。
同じオーブントースターで焼いたわけじゃないんだけども。
で、今回のスペアリブ、ほとんど骨が除かれてる。これは楽でいいねぇ。まあ、ちょっと愛想ないけど。
それから、同じグリルでじゃがいもとにんじんと。
こちらは焼き過ぎることもなく。
もっとも、これらは下茹でしておいて、仕上げでグリルで焼いてバターを落としただけのこと。
それに、当然(?)焼き過ぎのバゲットアンジュ。
当然っていうのは、クルトン代わりにサラダにトッピングした、薄切りバゲットアンジュと一緒に焼いたわけだから。
と、この日はちょっと焼き過ぎのが多いけど、イン・シトゥっていうピノを。
ただ、このワイン、中重口でスモーキィな香りがするはずなんだけど、ぜんぜんわからん。
というわけで、この日の主役は余ったアンチョビで拵えたシーザーサラダ。
今回のはアンチョビがちょっと生臭いって、家人にはあんまり評判は芳しくない。
まあ、上の娘が置いていった缶詰のアンチョビは、まだ2缶ほど残ってるから、このパターンで(あるいはサラダからパスタっていうパターンもアリだけど)、2回はリベンジのチャンスがあるなぁ。
しばらくパスタをつくってない。なので。
つれあいからは、ナスを入れてボロネーゼっていう意見もあったけど、やっぱりペペロンチーノにしようよと押し切った。
ただ、入れようと思ってたオイルサーディンがなかったので、代わりにアンチョビフィレを。それから、早くも出回り始めた菜の花も。
アンチョビと菜の花のペペロンチーノ。
にんにくのこんがり具合も、唐辛子を投入するタイミングも気を付けて。
それに、アンチョビの塩気を割り引いて塩加減したので、味付けも悪くない。
久しぶりにしてはまずまずの出来じゃないかな。
それからサラダ。
今回はふたり分を別々に。
残ってたロースハムの塊を少しスライスし、菜の花と一緒に買ってきたスナップエンドウも添えて。
というわけで、ひさしぶりのペペロン。
まあ、いつもこれくらい念入りにつくればいいんだけどね。
初心忘れるべからずだなぁ。
この前つくったぜんざいは、古い小豆を使ったせいか、なかなか柔らかくなってくれなかったっていう反省を踏まえ、ぜんざいをリベンジする。
このごろは物事に対する執着が薄まって、どうでもいいことはどうでもいいって思えるようになったんだけどなぁ。
ぜんざいのことはどうでもよくないことなのか、ぼくの中では。
で、リベンジ。
今回はさすがに丹波産ではなく、北海道産の小豆だけれど。
それでも、今シーズンに穫れた大納言小豆。
手順は一緒、さっと洗って渋切りし、じっくり時間をかけて火を入れる。
それでも、豆のかたさが全然違う。
豆の新しさが違うのか、それとも産地が違うからなのか。
でもって、前回同様砂糖を加え、鏡開きで下げた餅をこんがり焼いて。
と、こうすれば前回とは違っておいしいぜんざいができるはず・・・
・・・なんだけど、どうも気に入らない。甘みをザラメとグラニュー糖でつけたせいなのかなぁ。
もうちょっとなんていうか、ガツンと迫ってくる甘みが欲しいような。
砂糖かなぁ。
というわけで、ぜんざいリベンジ。
前回に較べれば、うまくいったと思う。でも、ぼくの中ではリベンジできたとは言い難い。
いまいちど、リベンジしないと、今シーズン中にできるかなぁ。
寒さも底。
なので、葛仕立ての湯豆腐。
毎年、この時期になると一度や二度はしてる。
例年に較べて暖冬かも知れないけど、ことしも。
葛といっても、じっさいは片栗を引いただけ。
だし汁に鶏挽肉を加えてほぐし、片栗を引く。
だしの味付けは塩と醤油とお酒。挽肉にはあらかじめしょうがのしぼり汁を忍ばせて。
で、そこへ豆腐とえのきを加えて弱火でくつくつと。
最後に三つ葉をわさわさと盛ってひと煮立ち。
ただ、湯豆腐だから、なかなか主菜とはなりえない。
なので、主菜は別に。
手羽元を焼いた。こんがりと。
で、手羽元はともかく、サラダはきのうつくったポテサラとせん切りキャベツ。あとはトマトを切っただけ。
でもって、レタスはわさび菜やだいこんと一緒に、鯛に敷いて。
このあと、レモンを絞り、胡麻油をたらし、醤油をひと廻し。
全体をさっくり混ぜればできあがり。
というわけで、葛仕立ての湯豆腐にこんがり焼いた手羽元、鯛の中華風サラダ。
何を合わせようか迷って迷って、スワンレイク・ヴァイツェン。
苦みが少なくて、ちょっとフルーティな味わい。
なかなかすてきな選択だったんじゃないかな。
と、からだもあったまったし、きのうの残りのサラダもやっつけたし、ビールの選択もよかった。とくにごちそうってわけでもないけど、こういうのっていいね。
ひさしぶりにトンカツ、ヘレカツです。
上の娘が東京へ行ったので、せいぜい下の娘のリクエストに応えてやろうってことで。
豚ヘレを一本買ってきて、それをだいたい2センチくらいの厚さで切っていく。
だから、太いヘレ肉なら大きなヘレカツができ、細いのなら小さなヘレカツになるという。この前も、馴染みの肉屋で、どれにしようかあれこれ迷ってたら、店のじいさんに「どれも一緒やて」ってたしなめられた。
でも、一緒じゃないんだよな。
ヘレ肉は一本の繊維束ではなく、筋繊維の束が幾本か集まってできてるので、どうしても繊維束がばらけたりする。だから、なるたけばらけないような形状のを選んでる・・・つもりなんだけど、結果は・・・やっぱり、どれも一緒か?
まあ、それはともかく、トンカツにはキャベツのせん切り。
キャベツは出回り始めた春キャベツ。
今回は、娘のリクエストもあったけど、ぼくの中では春キャベツを手に入れたっていうのもトリガーになってる。だからまた、包丁を念入りに研いで、細く細くせん切りにする。
でもって、ポテサラも。
それから、ヘレカツ以外には蓮根とさつまいも。
以前も書いたように、フライのばあい、まずはさつまいもから揚げる。
少し低温からじっくりと中に火がとおるように。もっと言うと、最初にさつまいもを揚げて、家人らの食欲に応えるわけ。要は最初につまみ食いしておいてっていう意味。
でもって、この日は味噌汁と沢庵をつけてヘレカツ定食風に。
ヘレカツにれんこん、さつまいも。それにキャベツのせん切りとポテトサラダ、さらに味噌汁と沢庵。なかなか充実のヘレカツ定食だね。
で、その充実の定食をつっつきながらビールをコキリ。
というわけで、ヘレカツ。せいぜい娘のリクエストに応えてやろうってことで。
まあ、毎度まいどっていうわけにはいかないけども。
マロンデニッシュを見つけた。
パン工房SAKAGUCHIで。
小さなデニッシュ。
ケーキと違ってパンはおなかにずっしりとくるんだけど、これなら。
さて、この日は食卓を家人らに占領されてて、仕方なく和室で撮ったので、いつもとは違う雰囲気の画像になった。
コーヒーの湯気もスゴイね。
和室は暖房を入れてないから、空気が冷えてるっていうのも一因だろうけど、庭からの陽射しと相まって、なんだか腕が上がったように錯覚するわ。
で、そのコーヒー、プランタンのブレンド。
現在わが家のスペシャリティな位置づけにあるイルガチェフェのチェルベサと違って、深煎りなんだけど、こういうデニッシュ系のようにバターリッチなパンやスイーツにはけっこう相性がいい。
で、くだんのマロンデニッシュ。
小さいながらも真ん中に渋皮栗がころりと。デニッシュ生地にマロンクリームが挟んであって、なかなかいい。
でも、見込みどおり、ずっしりくるほどのボリュームじゃないから、なおさら。
これなら、リピートしてもいいかもね。
わが家のちゃんこ。
どんどん変化を遂げてきて、今はこんな感じに落ち着いてる。
きほんは、鶏だしに鶏肉と野菜。
ちゃんこって言ってるけど、本来ちゃんこは力士が食べる料理全般のこと。
だから、わが家のちゃんこは、その中のちゃんこ鍋のそのまた中のソップ炊きに近い。
でも、ソップ炊きとて鶏だしの寄せ鍋だから、魚介類が入ってるのがふつうなんだけど、わが家のはそれすらも省いてしまった。
そして、今回はしめじも省き、白葱も省いた。
代わりに、今回は水菜と春菊を入れてみた。
水菜と春菊はともかく、いろいろ省いてこんな感じ。
家人は、それについては何にも言わないけども、豚肉は入れてよと。
はいはい、こんどはそうしよう。
しかし、どんどん変化してきたなぁ。
わが家でも、最初は魚介も野菜もきっちり入れてたんだけど、いまやちゃんこはこんなかたち。
動物性たんぱくは鶏に限られてるから、味に広がりがないように思われるかもしれないけど、そこは野菜全般の旨味が複雑な味わいを醸してる。
それに、次は豚肉を入れるとなると、〆のラーメンが愉しみ。
なんだかね、〆のラーメンのためにいろいろ具材を炊いてるような、でもってその具材を引き上げて処理する代わりに食べてる。すべては、〆のラーメンのためのプロセス・・・そんな感覚に襲われたりもする。
つまり、わが家のちゃんこは、〆のラーメンのためのプロセスである?
わが家には、なぜか片口のうつわが多い。
このあいだも、つれあいの実家が工事することになって、いろいろ処分するっていうんで、幾つかうつわをもらってきたんだけど、この片口もそのうちのひとつ。
これが、煮びたしなんかを盛ると、けっこう映えるんでちょっと気に入ってる。
で、この日は和食。
主菜は鰆の塩焼き。
ことしから上の娘が東京へ行ったので、現在三人家族なんだけど、ついつい四切れ買ってしまって。
もちろん、間違えたわけではないけど、一切れで売ってるのがなくて仕方なく二切れのをふたつ買ってきたという話。
だから、ぼくが小さめのほうから二切れを食べるっていうことで。
で、味噌汁。わが家の、具だくさんの味噌汁。
だいこん、にんじん、しめじ、小芋と豆腐。最後に葱を。
いろいろ味噌は試すんだけど、そして、これよりうまい味噌っていうのもあるんだけど、やっぱりこの味噌がわが家にはしっくりくるようで。
で、そんなのをいただきながら、お酒を一献。
これも、つれあいん実家からいただいてきた切子の。
五客組みだから、とっかえひっかえなんだけど、独りで愉しむのもなぁ。
上の娘がいたら相手させるんだけど。
で、この日はいちごをデザートに。
そういえば、この湯呑ももらってきたやつだったよなぁ。
きょうは節分・・・
・・・なんだけど、ちょっとおでかけの予定なので、恵方巻も鰯も食べられそうにない。
まあ、寒い日が続くのでシチュウでも。
このところ、シチュウは自家製のホワイトソースと、ハインツのを合わせて使ってる。それに正月に余った白味噌を忍ばせて。
ただ、正月明けにシチュウをつくったときは、まだまだ餅が余ってたので、いつものとおり焼いて入れたけど、今回は餅なしで。
もうひとつ、ザンネンなことにレタスを切らしてしまった。
だから、代わりにきゅうりやらブロッコリーやら、みどりのものを総動員して。
それから、きょうは豆まきもできそうにないんで、娘にお母さんとヨロシクって言ったんだけど・・・
まあ、スナップエンドウ食べたから、それもヨシとするか。
で、シチュウには、いつものとおりバゲットアンジュをリベイクして。
というわけで、クリームシチュウ。
ことしはどうも、うまく節分ができそうもないなぁ。
このあいだ、つれあいとデパートへ行くと、バレンタインを見越して特設のチョコレート売り場が開設されてた。
「ちょっと覗いていい?」っていうんで、ついていったら、いきなりつれあいが山積みの箱を指さして「わわわ、トップスのチョコレートケーキよ」と。
そんなん知らんしって応えたら、「一世を風靡したんだけどなぁ」って。
とにかく、その一世を風靡したトップスのケーキは売り切れ必至なんだそうで、夕刻にも関わらずこんなに残ってるっていうのはありえないらしい。まあ、そんなに残ってたおかげでわが家にもひとつ。
しかしこのチョコレートケーキ、全体をチョコクリームでコーティングしてるので、お皿に移すのも一発勝負。
中も三層のスポンジをくるみの入った濃厚なチョコレートクリームで挟んである。シンプルというかプリミティブというか。
で、そのプリミティブなチョコレートケーキに合わせたのは、このあいだ買ったところのイルガチェフェのチェルベサ。
ぼくが好きな同じイルガチェフェのハルスケに較べると、くっきりとした味わい。
そのシャープな味わいで、濃厚なチョコレートクリームに挑むって感じ。
思惑どおり、この組み合わせ、なかなかいい。
というわけで、トップスのチョコレートケーキ。
バレンタインデーの特設売り場で買ったわけだけど、バレンタインデーまでもつわけないし。もちろん、バレンタインデーにはまた別のを。
ひと味足りない。
焼売をつくるたびに思ってた。
それが干し貝柱ってことはだいたい察しはついてたんだけど、干し貝柱っていうのはずいぶんと高価で、さすがに焼売をつくるのに、できあいの焼売を買うよりも高くつくっていうのはちょっとなぁと、二の足を踏んでた。
だけど、ようやくいいのを見つけた。リーズナブルな粉末の貝柱。
パズルの最後のピースを見つけたときっていうのは、なんとも気持ちいい。
でも、ようやく見つけた最後のピースを抱えたまま、何もしないっていうのはありえない選択で、前日も中華料理だったんだけどさっそく焼売を。
都合よくっていうか、たまたまというか、前日は麻婆豆腐と唐揚げをずいぶん多くつくってしまってたので、それをリメイクするなら、焼売があっても何もおかしくないと理屈をこねて。
まあ、リメイクというよりも、温めなおしてサラダのように盛りつけただけだけど。
それから、これは新しく。
今回はタマゴスープ。えのきと豆腐のタマゴスープ。
さて、焼売は蒸籠に二段拵えたけど、家族3人で少し余らせた。
上の娘がいないからなぁ。まあ、翌日のお弁当のおかずにすればいいんだけど。
と、量もさることながら、味のほうはもう少し調整していく必要はあるかな。
とくに、貝が苦手なクセに旨味は干し貝柱とオイスターソースに頼ってるわけで、そのあたりをもう少しマイルドに抑えて、より自然な味わいに。
でも、家人はそんなのどこ吹く風で、つれあいは菊花焼売がいいなぁと、下の娘は海老焼売が食べたいとみんな好き勝手言うんだけど、ここに上の娘がいたらさらに何を言い出すやら。
まあ、言われずとももう少し試行錯誤が必要で、そうこうしてるあいだに筍が出回ってくるだろうから、筍焼売っていうのもいいなぁってぼくはぼくで思ってる。
というわけで焼売。最後のピースを見つけたから、あとは試行錯誤あるのみだな。
きのうも書いたように、東京にいる娘、じゃがいもスープの次にレシピ教えてって言ってきたのは麻婆豆腐。
ただ、きのうの時点で麻婆豆腐はまだつくってないそうで、その範を示すんじゃないけど、先にぼくが。
麻婆豆腐のレシピは、じゃがいもスープのように単純じゃない。
だから、まずベースとなった陳建一さんのレシピ送って、それに加えてぼくがアレンジしたポイントを書き出して送った。
で、麻婆豆腐と合わせたのは唐揚げ。
いつもは餃子とかが多いんだけど、ちょっと買い置きしてた鶏肉があったので。
ただ、上の娘がいないと、どうしてもその量が定まらない。一人いないのを意識して少なくつくったり、多くつくってしまったり。
今回は麻婆豆腐も唐揚げもずいぶん多くなってしまったようで。
で、もう一品。春雨のスープ。
麻婆豆腐をつくるのに、まずとりかかるのは手羽元でスープストックをとること。
でも、麻婆豆腐にはカップ1杯しか使わないんで、残りはスープに仕立てる。
このあたりのことまでポイントに書こうものなら、ずいぶんとくどくどとなってしまうから、娘に送ったレシピでは省いたけども。
もっといえば、スープは味制、紹興酒はふつうのお酒にすればもっとカンタンになるわけで。豆板醤もうちで使ってる郫県(ピーシェン)豆板醤なんか使わずに、ふつうの市販のでいいだろうし。
もちろん、わが家の味とは違うだろうけど、わが家の味が食べたければ帰ってくればいい。
・・・なんていうことは、言わないけども。
でも、残念ながら娘は東京へ行ってる。
そういえば、向こうからレシピ教えてって言ってきたのがじゃがいもスープ。
誕生日らしからぬメニュウだけど、きょうはそれを。
じっさいに娘に送ったレシピ。
じゃがいも 2〜3個
玉ねぎ 1/4
ベーコン 3枚
コンソメキューブ 1/2
塩 少々
胡椒 少々
水 600mlくらい
牛乳(生クリーム)少々
バター ひとかけ
1 ベーコンを細く切ってテフロン加工のフライパンで炒める。少しカリカリになるくらい。
2 細いくし切りにした玉ねぎを加え、さらに炒める。5〜6分くらい。
3 玉ねぎがしんなりして、少し色が変わってきたら水とコンソメを加えて少し煮込む。
4 その間にじゃがいもを用意。皮を剥いたじゃがいもを2mmくらいの厚みにスライスして、水に晒し、3の鍋に投入。
5 じゃがいもに火が通ったら、味見して、塩と胡椒で味を調える。
6 最後に牛乳をお好みの量加えてバターをおとす。
バターが溶けたらできあがり。あとはお好みでパセリとか、クルトンとか浮かべても…
・・・ちなみに、これは書いてないけど、やっぱりフルニエのバゲットアンジュがいちばんいいとか。
それに、野菜もしっかり食べろよ、とか。
伝えたいことは山ほどあるんだけども。
・・・なんだかねぇ。いつも分量なんて量らずにつくってるもんだから、いざレシピを書く、しかも2〜3人前にダウンサイズして書くのって、なかなかムツカシイ。
でも、うまくいったのか、このあいだは麻婆豆腐のつくり方を訊いてきた。
まあ、教えてやるよ、なんでも。ぼくのレシピでよければね。
このあいだ、親しくしていただいてる「泉州おむすび オトメゴコロ」でおむすびを買ったとき、一緒に買ったのがこの沢庵。
オトメゴコロのYさんからも、むかしながらの甘くない沢庵、おいしいですよって勧められたこともあって。
これでもう、晩ごはんは決まったも同然。
沢庵から思い浮かぶのは親子丼しかなかったから。
というわけで、親子丼。
鶏肉と、タマゴ2つ。あとは玉ねぎと三つ葉、この日は椎茸も。
だしは、濃いめに取った昆布とかつおのだし大さじ3に、みりん大さじ1、それから2倍濃縮の麺つゆを大さじ3。
ひとくち大に切った鶏肉を、皮目を下に少し焼き、皮がいい感じになってきたら玉ねぎとだしを加える。
だしを煮立たせ、鶏肉に火が通ったら、タマゴを回し入れる。
タマゴはひとつ分の黄身だけ取り分けて、あとのタマゴをタッタッタと軽く混ぜて。
最後に黄身を真ん中に置き、三つ葉を散らして蓋をし、1分弱ほど加熱したらごはんの上に滑りのせて、できあがり。あとは海苔を散らしても。
それから味噌汁も。
味噌汁は、豆腐と油揚げ、だいこん、にんじんの。
親子丼に三つ葉を使ったから、こっちは葱を。
というわけで親子丼、もちろん、くだんの沢庵と。
でも、つれあいが言うには、この沢庵なら細く刻んで胡麻を振るとかしたほうがおいしいんじゃないって。
なるほど。さすがにまたあしたっていうわけにはいかないから、まあ沢庵を食べきってしまわないうちにもう一度リベンジしようかな。