前日にヘレカツを上げた。
いつもは、余ったカツはお弁当に、それでも余れば娘の好きなカツ丼をつくってあげるんだけど、この日はちょっとそのルーティンから離れ、パンに挟んで。
カツサンドっていうべきか、それともカツバーガー?
いずれにしても、最近つれあいが食べてる小さなフランスパンに挟んで。
カツは厚いめに揚げてる。
ヘレ肉を塊で買ってきて、いつもだいたい2センチほどの厚みに切り分ける。
それを少し延ばして揚げるんだけど、この日のは延ばし方を控えめにしたので、衣の厚みを加えれば2センチ以上になってたかな。
で、それにキャベツを敷いてあるもんだから、いかにも座りが悪い。
だから、食べるときはぎゅっと圧して。そのままだと口を大きく開けても入りきらないからね。
それに、コーヒーを。
コーヒーはイルガチェフェのハルスケ。
本来はソロで飲みたいところなんだけど、最近はスイーツに合わせたりしてる。で、かつバーガーに合わせるのはちょっと無茶かもしれないけど。
というわけで、カツサンド、いやカツバーガー?
とにかくルーティンから離れ、パンに挟んでいただいたけど。
でも、大丈夫、娘のカツ丼の分は残しておいたから。
この日は、れんこんとアスパラ、さつまいもを揚げた。
春野菜のフライ。
といったら、やっぱり筍や新たまねぎが欲しいところなんだけど。
そのかわり、また春キャベツをたっぷりと。
なんだか最近はキャベツばっかり食べてるなぁ。
このあいだ、春キャベツの餃子をつくったときにも書いたけど、長新太さんの絵本。「キャベツくん」なら、「ぼくをたべると、キャベツになるよ!」って連呼されそうだ。
で、春野菜のフライと春キャベツを従えた主菜はヘレカツ。
また少し多く揚げ過ぎたので、残りは翌日のお弁当とかカツサンドとか。
まあ、それはまた別の機会に。
それから、こちらは新じゃが。
新じゃがは、じつはこの前つくった関東煮のだしを冷凍保存しておいたので。
それでちょっと煮転がした。
で、きょうもやれやれということで、エビス。
というわけで、春野菜を従えてヘレカツを。
従えてと書いたけど、まあ、春野菜のほうが優勢だな。
むしろ、春野菜に囲まれてって感じだ。それはそれでヘレカツもシアワセなんだろうね。
いつものcafé unji。今回はそんなに間が開かずに。
でも、ほんとはもっと、毎月でも行きたいところなんだけど。
で、ここ最近はそれぞれにサラダを食べてる。
以前はひとつのサラダをシェアしてたんだけど、最近はそれだとものたりないので。
ヴォリュームが物足りないのではなくて、もっともっと食べたくなる。実に多くの味が楽しめる、そんなサラダなので。
誤解されると困るけど、このサラダ、洗練をめざしてるわけではないと思う。
でも、どんどんととりどりになっていく。まるでカンディンスキーの絵のよう。今回は焼き野菜が追加されたみたいだね。
と、サラダをいただいたあとはメインの皿。
今回はまず、ミートソースのパスタから。
もちろん、ふつうのミートソースではなくて、このミートソース、スジ肉が入ってる。
じつはぼくもミートソースを仕込むのにスジ肉を使うんだけど、そうか、ここのみたいにスジ肉は細かくせずに、これくらいの大きさにすればよかったんだと妙に得心。まいったなぁ。
それから、お次がミネストローネ。
パスタはともかく、スープがメインの皿っていうのはどうかとも思ったんだけど、unjiではレアなメニュウだということで。
ここでも焼き野菜が使われてる。
スープもサラダ同様、いくつもの素材が合わさってる。もう数えることなどすっかり諦めてしまったけども、いくつもの素材が合わさってやさしい味わい。寝こんだときに食べたくなるような、そんな味わいなんだけど、さすがに寝込んだときはこのボリュームは食べられないだろうって。
でも、今回はすっかり平らげてしまって、食後のコーヒーと紅茶を。
もちろん、これを飲みながら、食後のデザートを待つわけで。
ここ最近はずっとモンブランを頼んでたんだけど、もうそろそろ違うのにも手をのばそうと、いろいろ迷った挙句、頼んだのがチーズケーキ。
でも、これがめちゃめちゃよかった。
なかなかこんなうまいチーズケーキには巡り会えないなぁって思うくらい。
おかげでつれあいのコーヒーバナナが霞むくらい。
というわけで、café unji。
きょうはミネストローネとか、チーズケーキとか、いつもと違うのをいろいろ試してみたけど、ハズさんなぁ。頼めなかったクロックムッシュがどんなのか心残りだけど。まあ、この分だと、またそのうち行くかな、違うメニュウを試しに。
このあいだの月曜は休みで、つれあいからお使いを頼まれてたので、昼前に起き出して近所のアンディオールへ出かけた。
つれあいに頼まれてたのは、贈答用のコンフィチュールと自家用の。でもって、折角だからコンフィチュールを味わうためのパンも、と。
それで、この時間、アンディオールから至近なブーランジェリーはと考えて、一休まで足を延ばした。で、ナッツトーストを選んでレジへ並んでると目の前で店の人がカットしはじめたのがこれ、オレンジタルト。
このオレンジタルト、知ってる人は知ってるここのマストバイ。すぐに売り切れるから滅多に手に入らない。
さいわい(?)、前の日とは気づいてないし、ぼくの番が回ってきて思わず「そのオレンジタルト、ふたつ、いや、みっつ」って。
で、そのオレンジタルトを大事に抱えて急いで家へ帰り、さっそくコーヒーをたてて。
というわけで、二つ並べたけども、実はぼくひとりで。
もちろんタルトはもういちどプラケースにしまい込んで、コーヒーは二杯いただいた。
思ったとおり、タルトはおいしい、滅多に手に入らないってことを差し引いても。絶妙な甘み、絶妙な酸味、そのバランスがとてもいい。
それにコーヒーも、レアなタルトに合わせてイルガチェフェのハルスケ。目下いちばんのお気に入りだからね。
というわけで、一休のオレンジタルトとBeans57のイルガチェフェのハルスケ。
でも、よくよく考えれば、元はといえば、お使いでアンディオールへ行っただけのこと。
まんまと沼にハマってしまったなぁ。
毎月中日には本のことを書いてる。
基本的には食に関する本を紹介してるんだけど、最近読んでる本でいいなぁって思うのが、食以外の領域のが多いんで、ことしはここまで食から離れてしまってた。
なので、今月こそはというわけで、稲田俊輔さんの「カレーのきほん、完全レシピ」を。
著者の稲田俊輔さんは、南インド料理店「エリックサウス」の総料理長で、幅広いジャンルの飲食店のメニュー監修やレシピ開発を中心に、業態開発や店舗プロデュースを手掛けられてる。
でも、そうした氏のプロフィールよりも、ぼくにとって氏はフード・パラノイアの先達っていう存在。
フード・パラノイアっていうのは、ぼくが勝手に名付けたんだけど、三年くらい前に読んだ氏の本、「おいしいものできている」に出てくる「常軌を逸して食べることが好きな人」のこと。氏もその中のひとりだと自身で語ってるし、ぼくもじっさい、その性質を若干帯びてるかもしれないなぁってことで、その本で語られた氏の視点とオーバーラップすることが少なからずあって、そうした意味で、氏のことをフード・パラノイアの先達と思ってる。
だから、この「カレーのきほん、完全レシピ」は、「エリックサウス」の総料理長が書いた本っていうのもあるけど、フード・パラノイアの先達が書いた本っていう、親しみといいうか信頼感をもって接してた。
と、前置きが長くなったけど、この本に書かれてるレシピの構成は、「日本人にとってのカレーらしいカレー」、「インドならではの特色あるカレー」、そして、「レストランならではのカレー」の三つに大別される。
それから、特筆すべきは、ゆでた玉ねぎを主体に、カレーに不可欠な香味野菜や最低限のスパイスをあらかじめ合わせた汎用的なベースソース「オニオングレイヴィ」。
で、レシピ本はつくってナンボなわけで、どれにしようかと迷ったけども、まずはオニオングレイヴィのスペックを最大限に引き出す、シンプルながらインドカレーの基本技術が過不足なく詰まった、完成度の高いレシピということで、いきなりのレストランスタイル、「シェフズチキンカレー」を。
なるたけレシピに忠実に。
不思議(?)なことに、わが家にはカルダモンのホールもクローブのホールもあったりして、材料も大半は難なく。
ただ、ひとつだけ、カスリメティっていうのが近所のスーパーやデパートを捜してもとうとう見当たらなかったのがちょっと悔しい。
それから、レストランのカレーの難点は、家カレーのようにじゃがいもやニンジンをごろんごろんと入れるわけにはいかないってこと。なので、この日はじゃがいもを別に。
庭で穫れた北あかりをバターでソテーして。
もちろん、それだけでも野菜不足は補えないわけで、別にサラダも。
というわけで、フード・パラノイアの先達、稲田俊輔さんの「カレーのきほん、完全レシピ」から「シェフズチキンカレー」。
ぼくがつくったインドカレーの中ではトップクラスの出来栄え。
ただ、心残りは手に入らなかったカスリメティ。
氏がコラムで、「私がこういったタイプのカレーをお店で出すなら、ブラックペッパーをここに足し、カスリメティの代わりに香菜で仕上げるでしょう。」なんて書いてあるけど、そもそもカスリメティの味が判らなければそうしたアレンジはできないわけで、まずはなんとしてもカスリメティを手に入れないと。
きょうはホワイトデーなんだけど、つれあいが言うには他所からいただくのが出揃ってから欲しいものをリクエストするわって。なるほど合理的。
なので、きょうはその話題ではなくて、いつもの路線で。きのうは三寒四温の「寒」の話を書いたので、きょうは「温」のほうを。
で、のっけから山盛りのキャベツ。
春キャベツを研ぎたての庖丁で細く細く。
細くすればするほど口当たりが柔らかくなる。ましてやそれが春キャベツだと。
で、キャベツのせん切りといえば、いくつか料理が思い浮かぶけど、この日は生姜焼き。
ただ、せん切りが春キャベツなら、生姜焼きは新たまねぎを。
なので、今回は一枚をそのまま焼くのではなくて、たまねぎと一緒に炒めるっていうようなイメージで。
まあ、そうなるとキャベツのせん切りを巻いて食べにくくなるように思うけど、じっさいにはそれほど苦労しなかったし。
で、キャベツのせん切りだけってわけにはいかないので、ポテトサラダも。
もちろん、こちらは新じゃがで。
あとはハムときゅうり、それにわが家特有のりんご。
で、生姜焼きには味噌汁を。
この日は豆腐とえのきと大根と。
でもって、この日もやれやれということで、プレミアムモルツを選択。
というわけで、この日は三寒四温の「温」。
春の恩恵を全面的に享受して、春キャベツと新たまねぎ、新じゃがと。
まあ、寒くても、暖かくてもそれなりに。
むしろ、そっちのほうがいろいろ愉しめたりしてね。
少し前のこと。
庭の梅が、めずらしく早くに咲いた。
毎年、開花を桜に抜かされるんじゃないかと心配になる寝ぼけ梅。
さすがに暖冬だったからなぁ。
・・・と思ったら、また冬に逆戻り。
どうなってんだ、ことしの冬は、ことしの春は。
なので、またシチュウ、クリームシチュウを。
最近のシチュウはずっと、自作のホワイトソースとハインツのを半々。
まあ、自作のにはあんまり自信がないからなぁ。
で、それに白味噌を隠し味に。
あと、ほんとは具に餅を入れたかったんだけど、正月からこっち、もうあらかた食べつくしてしまったので。
なので、くだんのバタールを。
焼き餅のおかきのような香ばしさと、カリッとリベイクしたバタールと通じるところがあるからね。
それからサラダ。
最近はカリフラワーがやたらに安くて、ちょくちょく入れたりもするんだけど、相変わらずわが家では人気がなくて。せっかく大きいのを買ってきたんだけど、結局はぼくがずっと引き受けてる。
で、翌日。
残ったシチュウをグラタンに仕立てる。これで完食。
というわけで、寒の戻りで今度はシチュウ。
これまでも、寒の戻りで関東煮を炊いたり、鍋をしたりしてたんだけど。
まあ、三寒四温といえばそれまでなんだけど、ことしの振幅はえげつないような気がするな。三寒四温っていうよりも、三凍四熱って感じかな。
あたらしいブーランジェリーでは、試しにバゲットと食パンを買う。
だから、このあいだシナモンロールを買ったル・クロワッサンでもと思ったんだけど、バゲットも食パンも買えず、代わりにバタールを。
とはいっても、バタールもなかなか買えないらしく、最後の一本だったけど。
バタール。
実はバターとは関係なくて、細めのバゲットと太いドゥ・リーヴルの中間の(バタール)っていう意味らしい。
で、バゲットは香ばしい皮の風味を、ドゥ・リーヴルはフワフワの中身が魅力なんだけど、バタールはその中間だから、やっぱり皮も中身もっていう位置づけ。だから、少しリベイクしてこんな食べ方を。
バタールを薄めにスライスして、タルティーヌに。
乗せるのはポテトサラダとミニトマト、それに生ハムとブロッコリー。
ポテトサラダはたまたま前日につくってて、その残りを乗せたっていうわけ。
あと、生ハムもブロッコリーも前日のサラダの残り物。ミニトマトはブルスケッタみたいに塩とオリーブオイルを。バジルの代わりにイタリアンパセリだけど。
と、ほとんど、いつものブルスケッタみたい。バタールだからっていう食べ方でもないけどね。
でも、味わいはずいぶんと異なる。やっぱりバゲットよりもきめ細かく、柔らかい生地だから。
で、飲み物もワインでもビールでもなくて、いつものようにコーヒーを。
というわけでバタール、ル・クロワッサンの。
バゲットとどちらがいいかっていうと、乗せるものにもよるだろうし、おなかのすき具合とか、ほかの料理とか。
まあ、その日のキブンでとしか。
以前から書いてるように、ことしから上の娘が東京へ行ったので、目下三人家族なんだけど、どうも三人分の料理の量に慣れてない。
おとといも、寒の戻りを理由にちゃんこをつくったんだけど、ずいぶんと余らせてしまった。
なので、きのうはその材料を使って。まずは白葱と豆腐で麻婆豆腐を。
さすがに豆腐は少し買い足したけど、あとは挽肉を買っただけ。
ちなみに、あらかじめ煮出しておいたスープストックもずいぶんと余ってたから。
だから、そのスープストックのうち、カップ一杯分を麻婆豆腐に使い、あとは残ってた白菜と鶏肉を使ってスープを。
スープには、ホワイトソースを仕込んでスープストックと、チキンブイヨンを少し。
まずは一口大にカットした鶏肉を皮目から焼き、少し焼き目がついて脂が出てきた頃合を見計らって薄切りにしたたまねぎを加え、さらに白菜をたっぷり加え、くだんのホワイトソースとスープストック、それにチキンブイヨンを加えて煮立たせ、塩胡椒で味を調えて少し煮込めばできあがり。
で、麻婆豆腐とクリームスープだけではちょっと寂しいので、餃子を焼いて。
少し前につくって冷凍しておいたやつ。
またつくって冷凍しておかないとね。
で、きのうもやっぱりやれやれということで、ビールを。
この日はエビスを。
それから、おとといのちゃんこの後もいただいたデザートのいちご。
きのうのは紅ほっぺ。おとといのとちおとめとはまた一味違う。果肉が柔らかくて、酸味が穏やか、かな。
というわけで、鍋の残りで麻婆豆腐とスープを。
まだまだしばらくは三人家族に慣れないか。
慣れたころには戻ってきたり、下の娘が出ていったり・・・
どうなるんだろ、いやはや。
いくら春とはいえ寒いときもある。
ましてやきのうの寒さといったら、暖冬をやり過ごして、もはやすっかり春だっていう気の緩みを衝かれたっていう感じ。
なので、このあいだの関東煮もそうだけど、駆け込みでまた鍋を。
見てのとおり、きのうはちゃんこ。
わが家のちゃんこはきほん鶏ベース。むかしむかしは魚介類も入ってたんだけど、どんどんと省略していって、最後に残ったのが鶏とつくね。でも、豚くらいは入れてよっていう家人の声を反映して、きのうは肩ロースも用意した。
で、鍋のほうはというと、まずは手羽元とスペアリブ、そこへ昆布とにんにく、生姜に葱の青いところを入れてじっくり煮出し、そこへ市販の地鶏鍋のスープをブレンド。でもって少し味を調えて。
それから、ちゃんこのときはだいたいは焼酎かビールなんだけど、この日はちょっとワインでも。
最近はスパニッシュワインがマイブーム。
この日はコンデ・デ・ファルナレスっていうののグランレゼルバ。
ぶどうはテンプラニーリョでヴィンテージは2014。ちゃんこよりももっとがっつりの肉に合いそうな感じかな。
で、そうこうしてるあいだに〆のラーメン。
ちゃんこだから、途中でうどんを入れるっていう選択肢もあったんだけど・・・
でも、鍋自体から少し遠ざかってたせいか、鍋ラーメンにはずいぶんご無沙汰してるんで。
でもって、この日はデザートにいちごを。めちゃめちゃ色鮮やかでおいしそうでしょ。
でも、その想像を上回るくらい、もう、むせるくらい甘い。
つれあいのママ友が経営してるイチゴ農園のとちおとめ。
きのう買ってきて、さっそく食べたから書いたけど、詳細はまたあらためて。
というわけで、駆け込みでまた鍋を。
アンコールも二度目くらいまでは喝采を浴びるけど、三度目となるとなぁ・・・
だから、またまたの駆け込み鍋はないよなぁ、きっと。
そらまめがまた出回りはじめた。
寒い時期にもあったんだけど、路地ものはやっぱりこれくらいの季節からかな。
で、そのそらまめを少量買い求め、サーモンといっしょにクリームパスタに仕立てた。
この時期、必ずするパスタ。今回はひとりでこっそりと。
買ってきた鞘の中には白い綿にくるまれた淡いみどりのまめが眠ってる。
さらに薄皮を剥くと、つるんとしたまめがあらわれる。
で、そのまめを、先に茹ではじめたフェットチーネの鍋へ途中から。
いっぽうのサーモン。
あらかじめ塩をふり、少し寝かせておいたやつの水分をふき取り、適当な大きさに切ってフライパンへ。
少し火がとおってきたら白ワインを振ってアルコールを飛ばし、生クリームを加えて一煮立ちさせる。
そこへ茹で上がったフェットチーネとそらまめ、追い生クリームを加えて塩胡椒で味を整える。でもって、うつわに盛って刻んだレモンピールを散らせばできあがり。
いっしょにつくったサラダとともに。
というわけで、そらまめとサーモンのパスタ。
青い釉のかかったパスタ皿にクリーム色のフェットチーネ。そこに淡いみどりとサーモンピンク、それにレモン色が少し。いいね、春色だね。
でもって、春野菜特有の微かな苦みを味わうと口元がほころぶなぁ。
爽やかなスプマンテなんかがあればサイコーだけど、それはさすがに。
随分と古い話になるが、誕生日に上の娘が呉れた羊羹の話。
その日は娘がフルーツ大福が食べたくなったそうで、一心堂で幾つかの大福をオトナ買いしてきた。羊羹はそのついでに買ったというが。
羊羹はけっこう日持ちする。
だから、しばらくは手つかずのまま置いていたのだけど、少し前からちょっとずつ。
で、折角羊羹を貰ったのだから、文豪谷崎の謂うように、肌の色が辛うじて見分けられる暗がりへ沈めてみようと。
谷崎が謂うには、羊羹を暗がりへ沈めれば、ひとしお瞑想的になる。「人はあの冷たく滑かなものを口中にふくむ時、あたかも室内の暗黒が一箇の甘い塊になって舌の先で融けるのを感じ、ほんとうはそう旨くない羊羹でも、味に異様な深みが添わるように思う。」
いや、あくまでもこれは谷崎の考え方。「ほんとうはそう旨くない羊羹」なんて思ってないから。
それよりも、大事なのはその前後。「・・・あの冷たく滑かなものを口中にふくむ時、あたかも室内の暗黒が一箇の甘い塊になって舌の先で融けるのを感じ、味に異様な深みが添わるように思う」のだと。
ただし、それはあくまでもふつうの羊羹の場合。これは栗羊羹なのだから、舌先で甘い塊を融かした果てに探り当てるのは栗なのだから、暗黒から現れるこがね色のそれは、まさに千金を探り当てたが如き多幸感を味わえる。
と、この栗羊羹、その千金が如き栗がごろごろと入ってるわけだから、毎度一寸ほどに切り分けて、くだんの多幸感を味わう。
まるでマッチ売りの少女が、マッチ一本の火に幸福なまぼろしを見たように。
でも、マッチ売りの少女がマッチを燃やし尽くした後に最期を迎えたように、栗羊羹を食べ尽くすと・・・
まあ、今のところなんともないけど、でも羊羹ロスはちょっと厳しかったりして。
あの皮が薄そうで、いかにも瑞々しいって感じのじゃがいも。春先に出回る新じゃが。鹿児島産の新じゃが。おそらく、そこからどんどん北上していくんだろな。桜前線みたいに、新じゃが前線なんてのがあったら解り易いんだろうに。
で、その新じゃがをつかって肉じゃがを。
いつものとおりフライパンで牛肉を炒め、脂が出てきたらにんじん、玉ねぎ、そしてじゃがいもを加える。じゃがいもの周りが少し半透明になった頃合いで鍋に移し、醤油90ml、砂糖30gを加えて落し蓋をし、さらにもう一重蓋をして煮ていく。鍋は両手鍋。これがポイント。
で、先のフライパンを洗わずにもう一度火にかけ、いったん湯通しした糸こんにゃくを炒め、酒60mlを加えてからフライパンの周りにこびりついた油や旨味をこそげ落として鍋に加える。
それから少し煮込み、頃合を見て鍋を両手でつかみ、鍋を振って上下を入れ替える。両手鍋を使った理由がここにあるわけ。
とまあ、こうしたプロセスでできあがったのが先の画像の肉じゃが。もちろん、くだんの新じゃがはほっこりと。
で、合わせる主菜はというと、以前にも書いたとおり、きほんは焼き魚なんだけど、今回はプチサレと春キャベツを焼いて。。
今回仕込んだプチサレはこれでおしまい。また良さげな豚ばらか肩ロースがあったらね。
それから、この日はいつもの味噌に、少し白味噌を加えて。
白味噌は、クリームシチューの隠し味なんかにも使うんだけど、そろそろ早いめに食べてしまわないと。まだもう少し残ってるけど。
で、この日はプレミアムモルツを。
最近はなぜかビールが多い。なので、エビスと交互に飲んでる。
まあ、いずれにしても、きょうの主役は新じゃが。新じゃがの肉じゃが。
そのうちコロッケでもしようか。グラタンなんかもいいし。
でも家人らは、「じゃがいもはそのまま焼くのがいちばん」なんて呟くんでねぇ・・・
きのうはシゴトで遅くなるっていうのを見越して、休みの月曜日に関東煮を炊いた。
3月に入ってから、ていうか、その前から春の兆しがめざましくて、なかなか鍋物をするっていう気になれなかったからね。
でも、このままいけば春はおろかすぐに夏めいてくるような、そんな不安(?)もあって、駆け込みで炊いたわけ。
で、関東煮にはなぜか酢の物。
それも、カニかまぼこで酢の物っていうのが、なんだか定番の組み合わせのようになってきた。
ただ、今回は生姜を切らしてしまい、針生姜を留められなかったのはちょっとザンネン。なまじっか、カニかまぼこが主役なだけに、そういうデティールをしっかり用意しないと、なんだか薄っぺらな味になってしまうんで。
それから、関東煮には焼酎かビールか迷うところなんだけど、今回はエビスで。
冬の気配がすると、熱燗が飲みたくなるんだけども、今回は春の気配。いや、それを通り越して夏の影を感じたのか、ビールっていうキブン。
で、関東煮をうつわに盛って。
でもって、柚子胡椒を・・・と思ったんだけど、柚子胡椒も切らしてたっけ。
今回はいろいろ足らないものがあって、ちょっと不本意だけど。
おそらく、今シーズンに関東煮を炊くのはこれが最後で、また秋祭りになるまで関東煮を炊く機会もないだろうし。
まあ、それまでに生姜はともかく、柚子胡椒と、それに焼酎も仕入れておかないといけないなぁ。
先週、ひさしぶりにシナモンロールのことを書いたんだけど、そうなるとなんだか気になって、ちょっと用事で梅田へ出かけた帰りに、北新地のル・クロワッサンでもシナモンロールを買ってきた。
クロワッサンのふるさとはフランスだから、どんなかなぁって思ってたんだけど、見た目は渦巻き型のアイシングがかかったアメリカンタイプって感じ。
で、買ってきて、3日ほど寝かせておいたイルガチェフェのハルスケを。
このあいだ、いつものBeans57へ出かけたら、今から焙煎するよと、わざわざ焙煎してくれたハルスケ。でも、焙煎したてだから3日ほど我慢してねと言われたとおりに。
さて、くだんのシナモンロール。
見た目はアメリカンタイプかなって言ったけど、どうやらこれはデニッシュ系の生地。
まあ、もともとはクロワッサン専門店だからアタリマエかな。
でも、こうなるとどうも映画で見た、フィンランドタイプのシナモンロールが食べたくなる。なんでもフィンランドのはカルダモンが入ってるそうで、それにかたちも単純な渦巻き型ではなくて、フィンランドのは長いロールを台形にカットして、さらに耳のように(?)押し潰すのが特徴なんだと。
と、シナモンロールは本場のが食べたくなったんだけど、コーヒーのほうはこれがイイ。
やっぱりハルスケさんがいちばんしっくりといく。
ちなみに、フィンランドを本場のように書いたけど、シナモンロールの発祥は、じつはスウェーデンなんだとか。
それはともかくフィンランドのシナモンロールが食べたい。
ちなみに、先週触れた電子書籍「デザインあふれる森の国フィンランドへ」には、レシピが載ってたので控えてある。あとはやる気の問題だな。