厨房男

こどもの頃に欠乏していた食の体験を取り戻そうとする厨房男の喰う・呑む・つくる・・・のはなし
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「男のチャーハン道」

2019-08-15.jpgきのうがドライカレーだからじゃないけど、きょうは「男のチャーハン道」。このあいだから読んでる本。

ジェンダー平等が叫ばれてる中でこの題名、少し気に障るんだけども、「なぜチャーシュー抜きか」っていう一節にそれを説明するくだりが出てくる。すこし長いけど引用すると――

「チャーシューを入れなかったのは、理由がある。チャーシューには考察すべき要素がとにかく多いからだ。

 どんな豚肉の、どんな部位を使うべきか。新しい肉と熟成させた肉のどちらがいいのか。調味料として何を選び、そしてどのメーカーのものを使うべきか。国産醤油がいいのか、中国産醤油がいいのか。お酒を入れるなら日本酒か焼酎か、あるいは中国のお酒がいいのか。焼いて作るのか、煮て作るのか。使うのは鉄鍋かフライパンか、圧力鍋か、あるいはオーブンか。火力はどの程度か。炭火や直火のほうがいいのか。そもそもチャーシューではなく、細かく切った肉を炒める方式ではダメなのか。豚肉ではなく、鶏肉や牛肉のほうがおいしい可能性はないのか…。

 いま思いつくだけでも、即座にこれだけ出てくる。それだけでI冊の本になってしまう。へたをすると『男のチャーハン道』より分厚い本になるが、はたしてそれが出版社の企画会議を通るのだろうか?

 右の検討リストを見て、あきれた読者がおられるかもしれない。でも、そうした細々とした検討を『男のパスタ道』『男のハンバーグ道』ではやってきた。「まるで求道者じゃん。そんなバカなこと、男しかやらないよ」という反応が多かったので、『男の○○道』というタイトルがついた経緯がある。」

――という弁明。これだって突き詰めれば異論が出てくるようなロジックなんだけど、ここではそういう話をするのが主眼じゃなくて、あくまでもこの本の内容の感想を。

で、この引用の前段に着目すると、「男のチャーハン道」の全体像もイメージできる。つまり、こういう試行錯誤、仮設と立証を延々と繰り返し、理想とするチャーハンへと辿り着くという、そういう流れ。それを読者が追体験し、その最良のレシピが体得できる、つまりその道を究めることが――紙面の上だけども――できるってわけ。

でも、深く読めば読んだで異論もある。

そもそも前提が家庭用のコンロなんだけど、わが家はIH。でも、基本的な考え方の高温をいかに維持するかという問題に関しては、こちらのほうがすぐれてると思う。だからわが家では中華鍋じゃなくて、IHに関しては熱効率のいい平たい鉄のフライパンを使ってる。

でもって、いかに手早く混ぜるかという問題でも、鍋(フライパン)をいかにコンロから離さずに熱を維持するかという点に腐心するんだけど、IHのばあい、鍋を滑らせて引き戻すっていう動作で、フライパンをあおるっていうのと同じようなまぜ方ができる。

それからポイントは卵の投入で温度がいったんグンと下がるのをいかに回避するかなんだけど、これを筆者は水分の少ない黄身(白身も少し残す)を、2度に分けて入れることによって回避する。でも、2度に分けるのだったら、最初に卵白多めの溶きタマゴ、仕上げに卵黄多めの溶きタマゴにすれば無駄なくできるんじゃないかな・・・

 

とまあ、異論はあって、実際にいろいろと試してみるんだけど、これがなかなか愉しくって、しかも結果も上々。そういう意味では、この「男の・・・」シリーズ、毎回ずっと愛読させていただいてます。

 

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