最後の夜
バルセロナ最後の夜。
一回くらいはレストランでディナーでも食べに行こうかっていうことで。
でも、その日に思い立って、思うようなレストランの席を確保するなんて、なかなか日本でもできないことなんだけど、そこで頼ったのがJCBの現地ディスク。ダメもとのつもりで電話したんだけど、すごく親身に相談に乗ってくれた。
で、最初はカタルーニャの郷土料理とか、海鮮とか提案いただいたんだけど、それをやんわり断って、モダンスパニッシュが食べたいと身の程知らずのリクエストをしたら、あちこち調べたり掛け合ったりしてセットしてくれたのがこのお店、「Llamber」。
少し小柄なサービス担当のスタッフが秀逸。その彼がいちばんに勧めてくれたのがコレ。
なんて形容したらいいんだろ。
コーンブレッドのような、ほんのり甘いパン生地の上に、トマトのペーストやガーリック、そしてアンチョビが乗せてある。これがいい。のっけから。
もちろんグラスワインを注文。
サービス担当の彼が、「オレをワインリストだと思ってくれ」てな感じで進めてくれたのがコレ。
Pazo Cilleiroっていう白ワイン。ぶどうはスペインのアルバリーニョ。
黄金色で、すっきりした酸味がアンチョビの魚臭さを流してくれる。
それから、サラダ。
スペインのサラダって、どこのもなかなかカラフルだなぁ。
ベビーリーフがベースで、ラディッシュやパプリカが彩りを添えてる。
ドレッシングがなかなかフルーティで、どこかでセロリのピクルスやペパーミントが香ってる。
で、アルコールがダメなつれあいには、こんなカクテル。
オレンジやジンジャーがベースのスカッシュみたいなのかな。一口飲ましてもらったらよかったんだけど、味見するのを忘れてしまったな。
で、次がポテトフライ。
マッシュポテトを四角くまとめてフライにしてある。
そこへピリ辛のソースを塗って、ガーリック風味のマヨネーズを絞ってる。
おもしろいし、おいしいけど、マヨネーズはそんなにいらんよ。
で、次がにんじん、かぼちゃ、オレンジなんかの一皿。
細いにんじんがごぼうみたいな食感。そこにオレンジとかぼちゃのソース。これがおいしい。おまけにかぼちゃのタネも。白いのはなんだろ。大豆由来? でも、豆腐でもないし、なんだろうと首をひねってたら、例の彼がピーナッツ豆腐って教えてくれた。へぇ〜。
で、そろそろ第二の皿、セグンドプラート。それに合わせてワインを赤に代えて。
カタルーニャのワインも勧めてくれたけど、試飲して選んだのはリオハのワイン、ベラ・ロブレ・リベラ・デル・ドゥエロ。
で、臨戦態勢が整って、ヘレステーキ。
これまでなんとかフラッシュなしで撮ってきたんだけど、これだけは自信がないからフラッシュをたいてさすがにフラッシュは。周りに迷惑だから、極力控えてはいるんだけども。
ご覧のとおり分厚いステーキで、中はほぼ生。
それを熱々の陶板で好みに火を通していく。なんだか日本のステーキハウスでも見かける手法。で、ステーキばかりをクローズアップしたけども、横に少し写ってるのはマッシュポテトとチーズのソース。あとはトロピカルポテトっていうのや、岩塩なんかも添えられてて、それらをお好みで。
と、なんだか日本的な手法があちこちにみられる。
デザートなんかはその最たるもので、例の彼が進めてくれたのは「NINNYOUYAKI」。
ニンニヨウヤキ?
明らかに人形焼きの引用か。でも、人形焼きとは似ても似つかぬかたちだけど。
サクっとした外皮に、チョコレートアイスが溶けたようなクリームが入ってる。でもって、あとから花椒が香ってくる。それに合わせてコーヒーと紅茶をいただいた。
店内はいつの間にか満員。
デザートが済んだところで、ちょっと席を替わってくれないかと例の彼。
快く応じると。お礼にカヴァをサービスしてくれた。
というわけで、最後の夜も大満足。
JCBディスクのSさんは、ご期待に沿えるようなモダンスパニッシュではなくて、あくまでもモダンテイストなところなんですが・・・と、あらかじめエクスキューズを入れてたけども、十分すぎるくらい。例の彼の機転を利かせたサービスで、最後の夜も愉しかったぁ。
というわけで、しばらく続いたバルセロナの話もこれでおしまい。
これで、スペインも行き納めかなとも思ってたんだけど、サグラダファミリアが完成したら行ってみたいなぁと。ビルバオのグッゲンハイム美術館にもいってみたいしなぁ・・・
いつか、また行けたらいいなぁ。