Kくんちの食事会 短い秋の好日に
記録的な猛暑のあとは、どんどんと冷え込み、秋はずいぶんと短くなるらしい。
そんな中の好日に催すことができたK邸の食事会。今回は遅ればせながらのKくんの卒業のお祝いということで、秘蔵のコレを出してきた。
2012ヴィンテージのドン・ぺリニヨン。
まあ、これもぼくの卒業記念にいただいたやつだから、めちゃめちゃ遅ればせながらダブルでお祝いってことで。
チューリップグラスはないけども、稀な好天と、この界隈では群を抜いて広い庭がある。
で、その前にまずはビールを一杯。
ビールは写ってないけども、アテはKくんの娘がつくってくれたっていうカレー風味の。
なんでも、庭に植えてるカレーリーフとクミン、マスターシード。
カレー風味って、ほぼカレーやんか。
さらにスパイス攻撃が続いて、次はコリアンダー。
と、こんなのを前菜に、箸を進めてたら、Kくんがおもむろに持ってきたのが、Kくん自ら拵えたっていうアクアパッツァ。
魚はガシラ。残念ながら釣ってきたのではないそうだけどなかなかおいしい。
アクアパッツァだから、あさりが入ってるけども、まあ、これも味のうち。
で、そのスープと一緒に奥さんが焼いてくれたパンをいただく。
これもまた、Kくんちの愉しみのひとつ。
もちろん、Kくんちの最大の愉しみは、こちら。
庭に設えた焚火で焼くフィレ肉。
近くのアラキっていう老舗の精肉店に掛け合って、端っこのところを安く仕入れてくるんだそう。それでも、こんなふうにして焼くとめちゃくちゃうまい。
なので、ぼくらはそれに釣り合うワインを携えて、Kくんちへ集まるわけ。
もっとも、今回は秘蔵のドンペリにウエイトが傾いたので、フィレ肉に合わせるワインはそこそこの。シシェルのサンテミリオン、グランクリュっていうの。
シャトーパルメを所有するネゴシアンのシシェルが、格付けシャトーから樽を買い取り、自社で瓶詰めをしてるそうで、残念ながらシャトー名はシークレットなんだけど、メルロー主体でけっこうな味わい。
ただ、ヴィンテージが若かったので、早々にデキャンタ―ジュしたけども、それでもずいぶんおいしくなってきたのは、ほとんど飲んでしまった最後のあたりのこと。また我慢しきれずやってしまったよなぁ。
まあ、こんなのをつまみながら、ついつい杯を重ねてしまうわけで。
で、ようやく焼きあがったフィレ肉と、枝豆のスープをいただきながら、くだんのグランクリュをいただくわけで。
肉はミディアムレア。
いつものとおり、お箸で裂けるくらいの柔らかさ。
それに、甘みが少なくってふくよかなメルローが感じよく合わさるわけで。
と、昼過ぎからグダグダと四方山話をしながらの食事会。
最後の、H君が持ってきてくれたコーヒーをいただくころには、ずいぶんと陽も翳ってきた。
というわけで、短い秋の好日の食事会。
途中、後輩からカワハギの差し入れがあって、Kくんがお気に入りの清酒、一ノ蔵も出てきたりしたんで、次はまた蟹で清酒もいいかもなぁってことに。
次はいつごろかなぁ。